キャップレス デシモ、愛用中。
今月の万年筆ネタの主役として迎えるつもりだった、アウロラのソーレ・ミニマがどうやらまだ到着しないので(涙...待ってるよ~..)、とりあえず7月に入ってからレビューしようと思っていた秘蔵のお嬢さまを。
●その後の自分より追記:アウロラは結局3ヶ月経っても到着しなかったので物欲もフェードアウトしたよ....
かちっとおしりを押すノック式で有名な万年筆、パイロットのキャップレス デシモです。
以前から気になっていたし、年初にタップリと丸善で試し書きさせてもらっていたので、タイミングが合えばいつ買ってもいいな、とは思っていました。
しかしどちらかといえば、外出携帯用なイメージがあり、私の生活上ではそう必須でもないから急ぐこともない..と思っていたらけっこうな時間が経過してしまいました。
(欲しいことは欲しいんだがいつまでたってもiPodの新型を買う理由がみつからない..というのに似ているんだよね..)
ちなみに、これは今月はじめに、東京の大丸で購入しました。
そう、インク工房が少し混み合っていたので売り場をぶらぶらと眺めていたら。
「いまがその、タイミングです」となにかが耳元で言ってくれました。誰!
デシモのラインナップは色がかわいい(シャンパンピンクというそうだけど、やはりこの桜色に惹かれる...)し、今までのキャップレスよりも細身なのが好印象。
キャップでなく、ノック式という方式は、オーソドックスな万年筆を見慣れていると非常に奇異な製品(逆立ちっぽい(笑)からだと思う..)に感じるのが正直なところなのですが。
実際に説明を受けて触らせてもらうと、そのノック感の重厚なところとか、内部のシャッターを押し開いてペン先がにゅっと出てくる風景とか、中身の金属筒を取り出してインクをつけるところ等々。その精巧なメカっぽさに結構シビレますよ。
日本ブランドの誇りにできる技術なんじゃないかと!
下に向いた、クリップのところに人差し指をうまく添えるコツがわかると、とても安定して筆記することが出来ます。
私の持ち方だと、クリップ金具の両側が凹んだ部分よりは上を持つので、人差し指・親指とはさむというよりは、親指側は軽く乗せるという感じ。
ペン先は18金ですが、ガッチリと固いです。
この堅牢さのせいで、万年筆なのに(つい、ボールペン的に)ガシガシ筆圧かけてもびくともブレることがなくて、頼もしい!
今回は細字を選んだのですが、ずいぶん尖っているにもかかわらず、まるで、先に球がついているようなつるっと丸みのある書き味。
(クオバディスの紙のような固くてすべるところよりは、例えばモールスキンのような凹凸のあるやわらかめのある紙のほうがよく止まって書きやすい感じです。)
この"先丸"な手応えがパイロットっぽさなのでしょうか。
ブランド的には学生時代以来ぶりなのだけれど、なんとなく覚えがある感触..。
ペンにおまけでつけてもらったカートリッジは、これまた久しぶりのパイロット青インク。
明るくて鮮やかで良い色じゃないですか。気に入ってます。
(わざわざ、他のインク使うためのコンバータまで買い足す必要はなかったかなあと軽く後悔中..。)
乾燥を防ぐための工夫なのか、ペンの裏側の芯が、外側に溝のついたものでなくてぴっちりと樹脂でフタがしてあるような仕組みになっており。
ノックを押してペン先を出すと、樹脂のなかに青インクが溜まっているのがうっすら、でもつやつやと透けて見えるんです。
それがなんとも綺麗で!
どういう仕組みなのか、このみずみずしい透け具合はノック直後にしか見られないので何度も押してはひっくり返したくなるんですが。
しかし、そんなガチャガチャとしたおもちゃっぽい使い方を拒むオーラが出てますよ。
それくらい「持つとわかる」メカメカしさがあるのです。
久しぶりに細字ペン先を買ったのですが、いやーさすが国産ブランド。
私基準では、ほぼ「極細」の域です。
これくらい細いと、ペリカンのBといった親分格の字幅と組み合わせて(注釈的に)使えるんですよ。
私はだいたい手帳やメモでは青しか使わないので、インク色でなく字の太さで(笑)重要度や内容などを書き分けるので。
太字を愛用してこそ、極細字の重宝さも無視できないのですよ。
このキャップレスや、ペリカン405のEFはそういう存在です。
中字もとても書きやすくて、最後まで悩んだのですけれどね..。
だから、いつかもう一本とかちょっと思ってるんですよね..黒インクでも使ってみたいし...これもいつかしばらくあとのタイミングで、また。
机上にあることがほとんどの今も、片手でかちっと出してかちっと仕舞えるからくりが、購入前の予測以上に便利過ぎ。
ふだんづかいとして大いにおすすめできます。
とはいっても、長文は書いたことないんですが。
手帳などの、ちょっと手元の紙へのふとした「書きつけ用途」に威力を発揮中なんですよ今のところ。
外出用を念頭に入手したペンなので、そんなときはもちろん、文庫ノートとゴールデンコンビになりつつあります。
買い物帰りのバスの中でもささっとメモが出来るのはノック式ならでは!
しかしいまのところは、青以外が必要なときにボールペンが登場してます。
(気温上昇のせいか、ラミーの4色ボールペンも冬期よりずいぶん書きやすくなりました。)
こんどの旅中の文具布陣もそんな構成になりそうだなあ。
とか考えはじめています。
ああーもう、来月かあ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
というわけで、あっというまに今年上半期終了。早っ。
げんきにいそがしく過ごせましたけれど、まだまだ、長期的視点をともなう習熟度(←謎)が足りない。
いや、ぜんぜんたりない。
後半こそ。と思っとります。ィェー
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コメント
モダンですね。
クロムメッキと軸の淡い色合いの相性が絶妙です。
万年筆というよりデジタル家電ぽいのかな?
キャノンのIXYのデジカメみたい。
伝統的な万年筆もいいですが、
こういう最新技術を駆使した万年筆も面白そうですね。
私も万年筆を何本も買ってしまうので、もうそろそろ買うのはやめよう、
などと何度も考えるのですが、
これを見てしまったので、
またほしい万年筆が見付かってしまいました。
インク容量の多い吸入式は極太文字、
カートリッジ式は細字というのが私の定番の
万年筆の買い方なんですが、
これを買うなら、やはり細字がいいな。
国産の細字はとてもよく出来ていますよね。
投稿: rodeot | 2006.06.30 03:02
こんばんは。
そうそう、ちょっとずっしりしたメタルなデザインのデジカメ。
言われてみればIXYっぽいですね。
デジものと並べてこれほど似合う筆記具もないだろうなあと思います。
買ってよかったですよ。
ぜひ手にとってみてくださいね。
きりっとした細字が書けてたのしいです。
投稿: ほしの | 2006.06.30 03:35
まさに桜色、綺麗です。(シャンパンピンクなどでなはく「桜色」と言った方がいいですよね)。
ノートPC打ちながら使える万年筆ですね。
電車の中でもこれならボールペン感覚で使えそうです。
Fでも滑らかというところがいいですね。
投稿: 遠藤 | 2006.06.30 06:44
今までのはサイズ的に手を出しにくかったので、細身の新型が出てよかったです。
ほんとにボールペンのような感じですよ。
ペン先、ほとんどしなりませんし。
便利に使ってます。
軸の質感も綺麗で、白やブルーとずいぶん迷いました。
投稿: ほしの | 2006.06.30 13:21
キャップレス、いいですね。
万年筆はなるべく増やしたくないと思っているのにキャップレスは気になります。
(ほしのさんのレビューを読むと大抵そうなりますが…)
この万年筆にカランダッシュの新しいインクコレクションを入れてみたいなどと妄想してしまいます。
でもやたらインク高いですよねー。(30mlで2,310円)
現物を見るには遠出しないと無理なのが幸いかも(^-^;
投稿: tenn* | 2006.06.30 16:09
あのインクは素敵ですよねー。
伊東屋でみましたが、瓶のかたちコミでたいへん美しい..
以前からキャップレスは携帯用と考えていましたが、ふつうに日常でも活躍しているので。
いつでもどこでも万年筆を使いたい愛好家のかたがたにはまさにうってつけの重宝さです。
投稿: ほしの | 2006.06.30 17:04
こんばんは
ゲットされましたね。
私はキャップレスで万年筆の持ち方を練習したようなもんです(笑)。もう40年以上前の話ですが。
40年以上も前にこれを開発したパイロットはスゴイ!!と今でも思います。
初代は当時価格で6000円と10000円(回転式)でした。
少し遅れてノック式の3000円、ショートタイプの1000円(書斎館では10000円以上の値で販売されているようです)、2000円。
このショートタイプは是非復活して欲しいと思っています。
投稿: ねこのぽちお | 2006.06.30 22:33
こんばんは!
意外に歴史ある万年筆ですよね、キャップレス。
はじめて所有してみて、昔からの愛好家が多いのも頷けるクオリティだと実感中です。
(海外の万年筆好きの人たちの間でも、NamikiのVanishingPointというと話が通じて、あれいいよねと言ってもらえるペンですし。)
既にもう、これ1本じゃ済まないだろうなという予感もありです(笑)
今までなんだか大きすぎたので買う気が出なかったのでこの、デシモでちょうど良い感じになったのですが、確かに小さめの方向で出して欲しいです。
投稿: ほしの | 2006.06.30 23:01
こん★☆は♪
なんだか・・・なんだろう・・・
読ませて頂いて、ほしい、見たい!!
目に毒の記事でした。(笑)
CUSTOM98のEFを試書きさせてもらって
手帳用に良いかもって、思っていたんですが。
今度、これを手にとってみます。
投稿: 村上来夏 | 2006.07.01 11:19
カスタムも名品ですよね。
(大学時代に使い込んで結局失くしてしまったので、いつかまた、ちゃんとしたのを入手したい。)
ミニサイズのも出ているんですね。
ぜひ、キャップレスも候補に入れて、さわってみてください。
手帳用万年筆なら、これがいちばん便利じゃないかとは思います。
投稿: ほしの | 2006.07.01 16:52
キャップレス デシモの細字、愛用して、そろそろ十年になりますね。
外出時には、ほぼこれ一本で全て賄えてます。使い倒してます。
インキは黒のカートリッジを買ってからずっと使ってます。
デシモは軽くて、細身で私にはとても使いやすく、片時も手放せません。細字は汎用性が高く、とても重宝しております。EFも試筆しましたが、余り違いが無かったような記憶があります。一本だけなら、細字で決まりでしょう。
投稿: 龍の尻尾 | 2023.04.07 08:52
こんにちは。
このペンを買ってここに書いてからもう17年(!)にもなるということにとても驚いています。
私も、常に使っている一軍のうちに、何らかの軸のキャップレスは必ず入っている現状です。
書き心地や使い勝手に独特なものがあるので中毒性があるというか、忘れた頃に「もう1本買おうかなあ」などと思わせてくれる恐ろしい万年筆です。
投稿: ほしの | 2023.04.07 13:20