琥珀色の万年筆を買いました。(旅先購入記完結)
今も気に入って愛用中のエキスパートを知って以来、ウォーターマンの万年筆がまた(今度は金ペンにバージョンアップして)欲しいなあ..とずっと思ってました。
なかでも「カレン」のデザインのカッコよさに惹かれていたし。
前々回ご紹介の赤革メモホルダーを購入したLevenger内の万年筆のショーケースをじーっと眺めていて「おぉ...こんなところにあのカレンが売ってる...」と動揺した私。
これは「Amber Shimmer」という、日本では販売されていない色の軸なんです。
あくまでも私見として、ウォーターマンにはクールモダンよりクラシックな華やかさが似合うよなあ、と以前から勝手に思っていた私には、金色パーツづかいのカレン(「デラックス」は含まず)が黒軸だけでしたので、買うとしたらこれになるんだろうと思ってました。
そう、今年はずっとゴールドパーツのペンが個人的にキテるのです。
でも、海外通販のページなど見ていて、このAmber軸はまさに私好みのオーラを放っていたので。
うわーこれが直で見れないって不公平...と気持ちが乱れてそのまんま物欲保留..になってた次第なのです。
ここを逃したらきっと悔いが残るままに帰国することになるだろう..という決意のもとに店員さんを呼びました。
カレンはこれ一本しかない(しかもMニブ)とのことなのでどうしようもなかったのですが、とりあえず試し書きさせてもらいました。
事前情報で収集していた通り(しかし想像以上に)なんて重くて硬いペンなんだろう!とびっくりですよ。
ただ、Mであるせいかもしれませんがゴリゴリ感は全く無くてツルッと滑らかな感触。
軸にペン先がほとんどぴったり固定されているデザイン上、しなりは全く期待できないので、棒の先で書いてるみたいな手応えです。
それだけに、先端のコロンと丸くて大きなペンポイントの存在感がすごくよくわかる書き心地なんです。
(あの、飲み物をぐるぐるかき回す「マドラー」をつけペンにしたらこんな感じか?)
全然万年筆ぽくなくて不思議だ~!でも気になる!…
というわけで買ってしまいましたよ。
235ドルの、きっちり定価販売(日本ともほとんど変わらない値段..)でしたが。
さすがにこういう値段のものなので舞い上がっちゃって、青のカートリッジインクも勧められるままに買い足しちゃったんだけど、太っ腹に..とはいってもあとから見ると値段も倍だった..2箱セットだったのでした。
ウチにもエキスパート用に買ったのが1箱あるのを後から気付く始末(トホホ)、なのでしばらくはボトルインク買わないでやっていけそう..
ウォーターマンの青は、くっきり発色な上にフローがいいのでかなり好きなんですけれどね!
夜、ホテルの部屋に戻ってからインクを挿してわあわあ言いながら書きまくりました。
ホントに重い..通販サイトのデータですがエキスパートより10グラム重いってすごいことですよ。
投げ系の武器になりそうなデザインだし..
エキスパートの時も感じたのですが、この重量のせいでかえって余計な筆圧をかけずともしっかり書けるので意外と疲れないです。
ただ、遠心力の負荷がかかるので(笑..でもホントに..)手首の弱い方には特に、大量速記が向いているペンだとはちょっと思えないのですが、ご愛用の方、いかがでしょうか。
ペン先はするすると抵抗が無く、ローラーボールに近いような感じも。
重くて太字フローであるせいもあって書き面の凹凸は全然感じることが出来ないです。
金属が紙の上を走っていく、スススス..という低音が微かに聞こえるのみ。とにかく滑らかです!
(エキスパートはどちらかといえば「しょりしょり」系の音。こちらは適度にしなりのあるペン先ですからね。)
扱う紙や筆記角によっては若干、書き出しがスベってしまう時があるのですが、これは今までもサファリのM等でも経験しており、結局書き慣れていくうちにいつのまにか馴染んで直ってしまったので、そうであることを祈ろう..
これはもちろん、このペンの個体差ですね..ちゃんと選んで買えればよかったんですが。
ずっとダメならいつかなんとかする必要がありますが、少なめの頻度なので今のところは静観して育成中です。
クオバディスの紙にも意外に相性が良くて、こういう硬い紙にはペンポイントがモチモチと密着する手応え。面白い書き味です。
きっと、これは太字ならではの感想だと思うんです。
こういうペンだけに、EFなどの細字だと、きっと全然違う感想になるんじゃないかと思うんですが、どうなんだろう!
興味あるんだよなー..ペンポイントが小さいからコリっとした感じかも..などと想像中。
そしてやはり、美しいです、この軸の色。
アンティークのマホガニー家具のような上品な雲状模様といいましょうか。
それが、光が当たる場所だけ線上にぱーっと赤茶の琥珀色に輝いて、その他の部分は限りなく黒に近い茶に沈んで見えるコントラストは実に素敵です。
アウロラのような、透明感のある練り込み柄の樹脂のようにすら感じるのですが、これは塗りで表現されているんですね。
Amber-Shimmerってズバリなネーミングです。
あと、見逃せないのは、ペン先の金が、クリップ等、軸に使われているふつうの金色パーツより若干赤みがかったローズピンク色だということ。
このモデルだけなのか、ゴールド系のカレン全部がそうなのかはネットの写真を眺めた限りではいまいち自信がないのですが、琥珀色の軸色に合っているこの金色は、大満足。
ペン先まで一体で続く、流線型のデザインがなんとも優雅なせいでこれが重量級硬質ペン(落下に注意!)だということを忘れてしまうくらいなのですが、こんなに(私の持っている中では)ユニークな存在であってもやはり、書いているときの感覚や姿の均整に「エキスパートと同じ、ウォーターマンの血が流れているペンなのだなあ」と思う点が多数。
うーん、楽しくも奥深い世界です。
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というわけで、ほとんど一ヶ月引っ張り続けた(せいで思いのほか今月の更新回数が稼げてしまった..)ボストンの旅+買い物報告は、これにて完結です。
来年も元気に勉学と視察と買い出しに励もうと思いますヨ!
ちなみに、今日コレを書くに当たって初めて知ったコネタですが、googleで「○○ドル」というふうに「値段」を入れて検索すると、今日の相場での日本円が出ました。
今までも普通の電卓代わりに使ってたことはあるのですが、こ、これは便利だ!
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コメント
こんばんは
>235ドルの、きっちり定価販売(日本ともほとんど変わらない値段..)でしたが。
See Green SimmerとAmber Simmerを、知人から頼まれて、SWのディスカウント時(10%引き)に取り寄せた時は、それぞれ$150ちょっとでしたが、国内に入荷していない物は多いですね。
投稿: ねこのぽちお | 2006.08.30 06:04
樹脂のような綺麗な色ですね。私が持っている重いペンはシェーファーのレガシー・ヘリテージ(40グラム!)ですが、主に手帳用に使っています。1センテンス書くには最適です。
投稿: 遠藤 | 2006.08.30 07:43
>ねこのぽちおさん
まるっきり値引きされてなかったことにむしろ驚いたのですが(笑)まあこれもまた旅の楽しい思い出..といったところでしょうか。
これのグリーン軸も綺麗ですよね。
>遠藤さん
そうです、手帳のような少ない文字数で完結する書きものにはむしろ快感なペンですよね。
ペリカン等に慣れていると、しゃかしゃか書きまくるには手首がだるくなります。
投稿: ほしの | 2006.08.30 15:06