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2007.08.25

紺色の万年筆を買いました(CUSTOM74伊東屋版)

PILOT CUSTOM74 PILOT CUSTOM74
パイロットのカスタム74です。
先日の、銀座伊東屋で購入しました。
ペン先はFです。

ちなみに、このシルバートリム(銀色パーツ)になっていることが、伊東屋の限定販売モデルの特徴です。

通常ラインの軸色に加えて、ポップに明るい黄や赤もあって、一瞬迷ったのですが。
(いつもの私だったらエンジや赤軸にしていたのかもしれません。)

しかし!
あの日の暑さときたらニュースで報道されるほどのモノスゴさだったわけで。
ショーケースをじっと見ていたら突然、この紺色(「ディープ・ブルー」が正式名称)軸と銀色クリップがなんとも涼しくて、吸い寄せられたのでした...。
この色味、けっこう暗いのでノートなどの白地のうえで撮影するとかなり黒軸っぽくみえるので。
Moleskineの上でやっと本来に近い青色が写せました。
青い漆塗りっぽい、とまでは言い過ぎかもしれませんが、今こうして眺めていてもなかなか上品で良い色なんじゃないかと思ってます。
(中屋万年筆の漆軸ってすごく綺麗な色だなあと常々思ってます。
「桔梗」か、または「赤溜」を、将来オーダーしてみたいものだ....)


カスタム74が手元にきたことでしみじみと何かが落ち着いた感じがします。
「いろいろ買って遠回りしたけど、やっとココに戻ってきたなあ」というか...。

...というのも。
遥か昔の大学生の頃、1本の万年筆を肌身離さず使い倒しましたが、それがこの、パイロットカスタムで。
「ペン先が金で出来ていて、1万円もする!」
ということに日々ヨロコビを覚えていた記憶があります。
(今も値段が変わってないってのもある意味すごいような....私が持っていたのはつや消し表面のモスグリーン色軸+金色クリップだったか。)
あんなに使い込んだのに今はもう、手元にありません。

近年また万年筆を盛大に使い始めてから(人生第二次ブーム...)、初めて買ったパイロットの製品はデシモだったのですが、こういう特殊なペンでも、同社のものであるせいか、なんとなく懐かしかったんですよね。
自分の手が、丸くてモチっとしたパイロットらしい書き味を覚えているのを感じたのはホントです。

せっかくなので、当時使っていたのと全く同じように使ってみたくなり。
いくつか試し書き後にFニブにして、ブルーブラックのカートリッジも。
基本的に純正インク主義ですが、違うのにしたくなるかもしれないし、掃除にも便利そうなのでコンバーターも。
わざわざ実演付で説明してもらったのですが、con70というのは、ひねるんじゃなくてプッシュ式でインクが入るんですね~。
というわけで、(伊東屋ではサファリやペリカーノ系以外の万年筆を買ったのは実は初めてなような気がするのですが)とても丁寧に対応していただきました。

ああやっぱりいいなあ、カスタム74。
どこにでも持ち歩きたいほどにすごく軽いから、私のような下持ち癖でも楽々にキャップつけて安定するし。
細字(F)だけどツツーっと滑らかに手に伝わる、気取ってないくっきりとした線がでるのです。
ニブの形も美しいし文句なしです。

ブルーブラックインクの「枯れた青」って感じの暗さもいいね~。
昔はカートリッジでもアルミパックに入っていた記憶があるけど....
いわゆる「酸化する性質」のインクじゃなくなったのだろうか?

何年も使った私が自信を持って言うけど、このペン先は、手帳類にコマゴマ書き込むのに本当におすすめ。
あと、最初の万年筆としての贈答品として実に好適品。

以前から思っていましたけれど、残念なのはクリップがちょっと硬すぎて、どこかに挟むような使い方がなかなかできないことかな。
無理したら曲がりそうで怖い。

というわけで早速、ほとんどいつも机上にある万年筆として活躍しています。
良い買い物をしました。


これだけ暑い日々なのに、何故か今年はインクなんかも「濃い色」ブームなのです。
最近買ったのは(というか、今頃初めて買ったのが)セーラーのジェントルインクの青ボトルなんですけれど、この藍色っぽい暗さがすごく気に入ってしまい。
長刀プロフィット21に早速入れてみたら、途端にその書き心地がピッタリときたような感じになり、
(錯覚かもしれない。なにしろ純正インク主義なので。)
毎日たくさん使っています。
フローは良いにもかかわらず、ウォーターマンなどを入れていた頃より、トロッとマイルドな書き味になりました。
うん、セーラーも良いわー。


買いたての頃はなんだか「よそいき」っぽかったのに、使っているうちの慣れやインクの相性なんかで、あるとき急に自分の手(筆記角?)に「しっくりくる」という瞬間がきます。
それが、万年筆が「育っていく」というヨロコビなんでしょうね。

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コメント

本当に良いですね。
実は、今までカスタム74は、デザイン的に受け入れられなかったのですけど、これは何か不思議な魅力を感じます。
やはり、1万円クラスの国産万年筆にも手を出そうかな。

こんなことを考えていたのに、ペリカンのニュークラシックを買ってしまいましたが・・・。
しかも3本セットで。

それでも、カスタム74とプロフィットなら、どちらがお勧めでしょうか?

投稿: royalblau | 2007.08.25 23:15

カスタム74については、以前ヘビーユーザであったこともあるので、一番、手が慣れてるんですよね。
金だとやはり既視感がありますので、シルバートリムは新鮮でいいです。
(カスタム74は、プラチナの3776よりはデザイン的にずっとOKな感じがします。
こちらも負けず劣らずペン先は素晴らしいのにもったいないことですが。)

プロフィットは、「21」しか使ったことがないのですが、やはり、モンブランっぽすぎる見かけが一番、好みが分かれるところかと思います。
(私にとっては、ですが、バランスはプロフェッショナルギアのほうが好きです。キャップを付けて書けるので。)
セーラーのほうがどちらかといえば弾性のある万年筆らしい書き味じゃないかと思います。
パイロットは先丸な、もちもちっとした感じです。

投稿: ほしの | 2007.08.25 23:45

どうもありがとうございます。やはり、実際に使われている人の意見は大きいです。
国産万年筆も、それぞれ個性があって面白そうですね。
だからこそ、もう少しデザインを何とかしてもらいたいのですが・・・。
国産万年筆は、あまり使っていないので、正しくないかもしれませんが、“安心して使えるパイロット”、“楽しめるセーラー”、という印象がありました。
実は次の本命として、P146、カスタム743、プロフェッショナルギア等を候補にしていましたけど、もう少し検討してみます。

投稿: royalblau | 2007.08.26 00:12

うーん、そのなかなら断然P146(笑)、私ならFで!

投稿: ほしの | 2007.08.26 00:25

ああ、欲しいんですけれども、コレ!!!
でも、店舗でしか販売してませんよね??

青い。
シルバートリム。
お手ごろ価格。

ああ、こんだけの要素がそろっていて、
国産メーカー(好きなので。。。)。

ああ、10月に東京行くころには売り切れてそうです。。。
悔しい。。。

投稿: tomoko | 2007.08.26 00:30

伊東屋さん、問い合わせれば、遠いところには通販してくれる場合が多いようですよ!
限定品とはいえ、今のところは生産本数を限定してるわけじゃないと思うんです。
私が伊東屋カスタムに目をつけたのは昨年くらいですし。

試し書きするとき、なんかどっさり(お盆いっぱいに)青軸だけでも出て来ましたので(笑)10月だったらきっと大丈夫じゃないでしょうか。

投稿: ほしの | 2007.08.26 00:40

と、書き込んだそばから、
万年筆好き友人in茨城に買い出したのんでしまいました 笑

ただ、大きいよ、と指摘受けたので、
近々もう一度試し書きしてこようと思います。

また、買ったらご報告します 笑

投稿: tomoko | 2007.08.26 00:43

74は大きくないよ!
「長い」っていう意味なら、軸の軽さで"振り回し"がカバーできるから大丈夫。
742くらいになるといきなりキャップが重く感じるけどね。

投稿: ほしの | 2007.08.26 00:57

丸善の限定品ばかり気にしていて、伊東屋限定は盲点でした。
購入候補に入れておかねば。
ちょっと久しぶりに物欲を刺激させられちゃったみたいです。(笑)

投稿: Ketzer | 2007.08.26 15:15

丸善は、確か、ショートサイズの「カスタム98」が限定として銀トリムのモデルで出ていたような気がします。
あれもかわいいんですよね~。
74は、コンバーターの大きいのが入りますから使い勝手良いと思いますよ。
インク別に集めたくなるほどに(また悪い癖が...)気に入ってます。

投稿: ほしの | 2007.08.26 15:38

 パイロットのブルーブラック、以前どこかで「重油」と表現されていました。なんか、他社にはない色合いのブルーブラックですよね(ブルーも…)。私も好きです。

 パイロットのペンポイント、ホント丸いですよね。私は\2,100バージョンのデスクペンが大好きで、日々愛用しております(^^)。速書きにも余裕でついてくるところがパイロットのいいところだな、と思います。

投稿: しまみゅーら | 2007.08.27 11:55

私もこれ買いました!
カラフルな軸が魅力的だったのに、なぜか衝動的に黒を買っちゃいました。
何で黒を買っちまったんだ~俺は~、と頭をかきむしってるうちに、ほしのさんに先に紹介されてしまいました。
今晩あたりエントリーします、黒ですが・・・

投稿: アルマーニ | 2007.08.27 12:28

>しまみゅーらさん
重油、ですか〜!
日本のブランドの、少なくとも青系のインクは、彩度低めでちょっと枯れた感じがしますね。
いかにも和風な大人らしい色で素敵だと思ってます。
そうなんです、私の筆記角とスピードにすんなり最初からついてきてくれるのはパイロットだけかもしれないです....独特ですけれど、これもまた好きで..!

>アルマーニさん
いや、これは「74なのにシルバートリム」であるところがポイントかと思われますので、黒軸でかきむしってはいけません(笑)
私は、ずっとあのトマトみたいな赤で買おうと何ヶ月も前から考えてたんですよ〜。
こうも暑いと、人は地味路線になってしまうのでしょうか?
記事楽しみにしております。

投稿: ほしの | 2007.08.27 13:37

こんにちは。
僕も初めて買った万年筆はカスタム74でした。
ずっと持っていて今でも元気です。
万年筆のことを知らなかったから黒軸に金メッキパーツのジジクサイ万年筆だったのですが、
その時にこれがあれば良かったのにと思いました。
ブルーが深みがあってとてもきれいだし、
パイロットのロジウムメッキのペン先は金色の
モノよりもクールでお洒落ですね。
今はカスタムレガンスというのを持っていますが、それもペン先がFの5号ニブなので、
たぶんこのカスタム74と同じ書き心地だと思います。細くてきれいな字が書けるので満足です。
大きいコンバーターは便利ですよね。
ペリカンと同じくらいインクが入るみたいで、
Fのペンだと長持ちしてくれて助かります。
セーラーだとすぐにインクが終わってしまって。
レガンスを買う前にこれを知っていたら、こっちを買ったかも。
ソリッドカラーはシンプルだけど個性的でいいですね。

投稿: rodeot | 2007.09.01 00:05

人生最初のカスタム74、通学帰りの電車に置き忘れました。
あれは悔しかったなあ....(遠い目)

銀色パーツの「伊東屋モデル」を昨年初めて見たときに、これはカスタム74を再び使うチャンス到来かもなとわくわくしました。
購入以来、期待に違わずやっぱり昔と変わらず良い万年筆だ!と日々実感中です。

実は伊東屋で、レガンス赤軸が気に入ってしまい、ものすごーく迷ったんですよ!素敵ですよね。
きっといつか買ってしまいそうです。

投稿: ほしの | 2007.09.01 00:28

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これが、頭を掻きむしっていたブラック軸です(謎) 伊東屋のウェブサイトをちらちら見ているときに発見しました。 ショップ限定の国産万年筆では、ナガサワ文具センターが有名ですが、伊東屋も出してたんですね。 (こちらの取扱リストから入ってPILOTをクリックすると見れます) ベースは、パイロットの定番万年筆カスタム74ですが、軸色のバリエーションを増やし、トリムとペン先をゴールドからシルバーに変更したものです。 オリジナルの軸色はブラックとディープレッドですが、そのほかにイエロー、ブルー、レッドがあ... [続きを読む]

受信: 2007.08.27 23:47

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