細字に入れる紺色インク。
年末近い頃だったか、銀座をウロウロしていたときにプラチナのブルーブラックインクをボトルで購入しました。
軒並み値上げが目立つこの世界で420円ってお買い得~。
青インク派の私は、なんでプラチナの万年筆インクは「ブルー」じゃなくて「ブルーブラック」しか無いんだろう!とずっと思っていました。
だから、手持ちのプラチナの万年筆には(♯3776のミュージックニブと、セルロイドキンギョ)
「ラミーのくっきりブルーが似合うのだ」と直感で(笑)決めて以来、ずっとそれでばっかり使っていたのですが。
しかし、あの200円万年筆のプレピーでブルーブラックを使ってみて納得。
書きたてのみずみずしい時点なんかでは特に、セーラーのブルーインクより明るい紺青なのですね。
今になって10月頃の細字で書いたメモを見てみると、グレー味を帯びてなんだか褪色したみたいな沈みようの箇所もあり...で。
新鮮な青みが若干抜けた分、全体的に地味に落ち着いた感じ。
面白い経年変化だなあと思ってました。
このへんの"枯れた味だし"も「日本のインク」的なのだろうと勝手に納得してました。
というわけで、比較的太字で書いたものがどうなるのかちょっと興味もあり、でボトル購入につながったのでした。
(国産ブランドのインク壜は皆こんな感じの素っ気なさですが、見ようによっては「昭和レトロ」っぽくて好きかも。)
で、この色を使いだしてから、Molesekineをはじめとする「万年筆に難しい紙」にもかなり強い(ほとんど滲まないしし、裏抜けない)インクであることに、プレピー時点から感動してたんです。
あまりにも優秀だったので、これはもしかして、鉄の酸化作用で色が定着する、いわゆる「古典的ブルーブラック」なのだろうかびくびくしはじめました。
その種の「正当派ブルーブラックインク」はちょっと"怖い(というか、そう簡単には使えない)"というイメージがあったので....
成分的に、普通のインクよりは詰まりやすいので、これを使うならペンの手入れに気を抜いてはいけないし、そう頻繁には使わないペンには入れない方がよい、とよく聞きます。
ラミーやペリカンやモンブランなどのブルーブラックがそちら系統としてよく挙げられます。
逆に、例えばウォーターマンのブルーブラックは普通のカラーインクなので、ペンに優しいのだそうで。
どんどんあおみどりになっていく経年変化が結構好きなので、いずれこのインクも欲しいのですが。
某所のコミュニティで質問してみたのですが、メーカーに問い合わせたことがあるという博識な方がとてもわかりやすく説明してくださったのでした。
プラチナも"古典ブルーブラック"仕様なのだそうです。
ボトルもカートリッジも同じものとのこと。
ただし、古典ブルーブラックとしての鉄的成分はそれほどタップリには濃いものではないように思えます。
(見た目の青み比率が多めだし、あれだけすごい細字のプラチナ万年筆でスルスル使えるくらい滑らかに出るので。
...という超・私見ではありますが...)
この、鉄的成分のせいで長年にわたって紙の上に色が定着するので、ブルーブラックで書いた文字は何十年も消えずに残るんですよね。
それってカッコいいよなあ、使いたいなあという思いが実は最近ちょっと上がってきてます。
モンブランのブルーブラックとか、特に憧れるね~。
セルロイド金魚とミュージックには早速入れましたが、水洗いしやすいコンバータ式かつ頻繁に使う(使いたい)ペンでなら、他社製でも使いたいな~!
と、大胆にも挑戦してみたのはカスタム74のF。
もともとすごく細字なんですがとても書きやすいペン先なので、手帳などに活躍させたくて。
しかしながらパイロット純正のインクはフローや色はとても気に入っていながらも盛大な滲みが発生してしまう場面が多く.....困っていたのでした。
大容量のcon-70コンバータに入れれば、タップリ入ります。
(こころなしか、そのせいで重心がしっかりして安定して持ちやすくなったような。)
おお、インクも渋ることなくちゃんと滑らかに書けますよ!
パイロットのインクで使うのとは書き心地がだいぶ変わります(コリっとした感じになる..)ので、このへんはお好みに合えば。
というオススメしかできませんがともかく、
プラチナ細字特有のしっかりとした描線が移植された感じ。
ほとんど紙を選ばず細くて小さい字も書けるようになったので、この機能性は便利だなあ。
そんな経緯のカスタム74、今では毎日机上のペン皿に乗せては手にとる一本です。
能率手帳ゴールド(←快調に愛用中)やMoleskineのクリーム色の紙に、どんなに小さな字でもピシっと映えてくれる綺麗な濃紺なのですから。
このペンは、私が学生時代に愛用した金ペンの万年筆であるという思い入れもあって実はもう一本、中字ニブで欲しいなと思ってます。
今の細字と同じく伊東屋カラーリングの中から選ぶか、オーソドックスにエンジ-金トリムで選ぶか少し考えていたのですが、このほど、透明軸でも発売されたようなのです。
(これもきっと大都会有名店以外では入手できないに違いない...涙)
インクの色や減り具合確認がいつでもわかって楽しめそうな一本ですよね。
春ぐらいまでには話題の青ボトルのどれかと一緒に買えたらいいな(長期計画的願望)。
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コメント
私も最近になって「ペリカン・ブルーブラック」を恐る恐る使っています。
ペリカンM205に吸入して「様子を見ながら」の運用です。
ただ雑誌などの色見本を見ますと「モンブラン」の青が「紺色」っぽかったので
「次はモンブランだ!」なんて考えております。
投稿: プチおたく | 2008.01.31 08:48
●プラチナのBB
私もファンです。結構いろんなペンに入れて楽しんでおります。恐らく、筆記時と乾燥時の色の変化は、世界一じゃないかなぁ、と面白がっております。
ただし…、残念ながらあまり耐光性はありません。鉄成分も、ほとんど見えない程度までしか残りません(本当に入ってるの?っていう感じ)。個人的な印象では、その儚さはペリカンのロイヤルブルー並みではないかと思っています。
でも、一番好きなインクの一つです。あ、フタはきつく閉めるとすぐに割れるので、注意してくださいね。
それから、一昔前のプラチナBBも持っていますが、こちらもまた味のあるいい色です。今ほど鮮やかではないしフローも渋いですが、昔のペンで書いてるみたいな、懐かしい色です。
投稿: しまみゅーら | 2008.01.31 08:55
●iroshizuku
最近、地方にも入荷したみたいです。私はこの前「月夜」をゲットいたしました。今カスタム742にパイロットのグリーンが入っておりますが、使い切ったら洗って月夜にしようかな、と画策中です。
例の青インクですが、他社の色見本と比較してみた方がいいですよ。パイロットの中では「新しい色」でしょうが、意外に他社のインクとソックリなのが多いので…。
それから、残念ながら透明軸の地方出荷は2月以降になるようです。少数だけ出荷するみたいなので、早めにツバつけたほうがいいかも。
投稿: しまみゅーら | 2008.01.31 09:02
>プチおたくさん
このほかにもセーラーのジェントルインク等々、近年は濃紺系の愛用率が高いんで、やっぱりブルーブラックにも手を出したいなという流れになりつつあります...
モンブランも青みがあって綺麗に書けるそうですね。
私も一本、「様子を見ながら」ブルーブラックを楽しむペンが欲しいと思ってるのです。
恐がり過ぎかもしれませんが(笑)。
使いまくって循環させてればいいことなのでしょうけれどね....
それ以前に永年保存するような内容のもの全然書いてないんですが。
>しまみゅーらさん
そう、耐光性は弱いんじゃないかとうすうす感じてました。
よく開く紙類に書いたものほど字がまだら状に薄くなっているので(笑)
儚いのにブルーブラック、ってところがまた応援したくなるのかもしれません...。
パイロットの新製品のようなものは、うちのほうの文具店にくるとはとても思えないので、やっぱり、次に東京に行くときにいろいろと買ってこないとなあ。と画策中です。
まずは実物見ないと~。
投稿: ほしの | 2008.01.31 13:37
ご無沙汰です。
私もBBファンでいろんなBBを試してるのですが、
難しい色ですよね。
発色の好み、保存、MOLESKINE、
いろいろ条件をクリアしてくれる万能BBってないかなぁ・・・
とか思います(笑)
BBファンなので、各社のペンに純正を入れて使ってますが、
今度俺も、勇気をだして手持ちのPILOT QUATTROにもプラチナBB入れてみますね。
カスタム74の透明軸、俺もかなり呼ばれてます!
投稿: YUKKY | 2008.01.31 23:07
ペンごとの相性がけっこう出ますよね。
プラチナBBは、カスタムに入れてみる前に、セーラーのペンにも入れてみたけれど書き心地があまりピンと来なくて。
書き味との相乗効果を考えるとやっぱり純正が良いんだろうと思います。
パイロットのブルーブラックはかなり好きな色なんですよ。
あの、紙を突き抜けるほどの壮大な滲みさえなければ文句無しなんだ~!
投稿: ほしの | 2008.02.01 00:04
どこのインクか忘れましたが、医学研究者が標本染色にとても有能だといっているものがありました。
そのインクが発売中止ときいたとたん、万年筆をもっていなくても買いだめするほど。
どこのだったかなー
古典的インクの説明を読んで、ちょっと「ははぁ鉄分がちょうどよく反応したのかなー」
と理解した次第。
たしかに万年筆インク染みはおちにくい・・・
投稿: yuru | 2008.02.01 10:15
書斎の椅子の下にオフホワイトのラグマットを敷いてるんですが、インクの染み(ボトルのキャップを開けたりするときに飛んだりするらしい...)がいつのまにかぽちっとついてたりするんですよね。
ヘタにこすったりするとあっというまに広がって、いつも苦労してます。
ペリカンの青インクだったら、インク消しペンがあるんで大丈夫(?)なんですが、こういうときはたいてい他のインク。
もう疲れちゃったので〜、もう少しインクが目立たない暗い色のマットを通販で注文したばかりです。解決になってませんけど。
投稿: ほしの | 2008.02.01 17:17
こんばんは。
年末にキャップレス・デシモ(F)を買ったのですが
ドクターヤンセンのナポレオン(BB)を入れています。
MOLESKINEにも裏写りせずに快適です。
最初はLAMYのブルーにしようと思ったのですが
コンバーターで吸ってくれず。
更に空きカートリッジに入れてみたけどインクが下りず(涙)
ほしのさんが詰まり気味とおっしゃっていたのは本当でした。
投稿: tenn* | 2008.02.01 23:13
国産ボトルインクで唯一使っているのがプラチナ萬年筆社のブルーブラックです。(常用ではありません)
ブルーブラックなのに青色の発色が良いので気に入っています。
数年前にこのブルーブラックを使って書いたポストイットには、デスクに貼って空気に触れていたためブルーブラックの特徴がでて黒く変化していますよ。
MOLESKINEに書いたものは数年たっていても、まだ青みが残っていますね。
空気の触れ方で変化に違いがあるみたいですね。
古典ブルーブラックの代表、モンブランのブルーブラックを常用していますが、ペンに不具合がでたことは一度もありません。
ほぼ毎日使っているから問題ないのだと思います。
私は耐水性があるインクが好きなので、他にペリカンのブラックとアウロラのブラックも愛用していますよ。
投稿: Ketzer | 2008.02.01 23:25
>tenn*さん
私もデシモF+ラミー青は早々に挫折しました。
書けてもけっこうガリガリして出が悪かったのでびっくりした記憶が~。
紙を選べば(というのが残念ですが)パイロットインクの滑らかさに勝てるインクもそうそうないんじゃないかと思うので、BBのカートリッジをひと箱買ってしまってあるのでデシモはそちらで頑張ってみます。
>katzerさん
このブログ書いてからもう、モンブランのBB使いたい気満々です。むしろ「色しずく」シリーズより欲しいくらいです。(完全に自己暗示だ)
せっかくだから145Fとかで使ってみようかしら...
ペリカンの黒はつやつやと黒くて私もかなり好きです。
やっぱり、「強くて、残る」ってところにインクとしての浪漫を感じますね...!
投稿: ほしの | 2008.02.01 23:58
初めてのモンブランを手に入れた時、万年筆=ブルーブラックという妄想があり、モンブランのブルーブラック
を手に入れました。
しかし、すぐ固まっちゃって、名門149を過小評価したことがあります。
その後、ブルーブラックとはそういうものだと聞き、十分警戒することになったのですが、鉄の酸化作用で色が定着するのとは知りませんでした。
僕は、黒系の公的文書に用いるようなインクは裏移りするのがイヤで、セーラーの極黒を使ってます。
値段は高めですが、かなりいいです!
そのほかの色ものは、なにかしらの企画モノを使ってます。セーラー石丸氏謹製インクとか!
そこら辺の使い分けって、誰も知らなくていい、自分だけのこだわりだったりします。
まだ、ラブレターインクとかには手を出したことがありません。
透明軸ですが、こちらはどうでしょう~?
http://members.jcom.home.ne.jp/mori/fullhalter/pilot_823m.html
プランジャー吸入って、丸善で触って以来忘れられなくなり、ここで、無色透明軸が手に入ると聞き、早速購入してみました~
結構あそべます!
投稿: T-zen | 2008.02.02 03:26
私も学生時代、その大人っぽい色から万年筆ならBBインク以外ありえないと思って使ってました。
当時のパイロットBBのカートリッジはアルミパックに封入されてたのを覚えているのですが、成分はどうだったのかなあ。
一本をとことん使い倒していたせいか、固まって困った覚えはあまりないのですけれど...
おすすめの823は、以前からいつも"買いたい候補"なのですよ。
重みがあるところもまた良いそうですね。見た感じは茶軸も好きなんです。
まずは74透明軸を確実に入手してから考えます(笑)
実のところ、パイロットはレガンスとか845とか、いずれ欲しいのがいっぱいあって困りますわ~!
投稿: ほしの | 2008.02.02 04:11
●モンブランのブルーブラック
は、まさに「王者」にふさわしい素晴らしい色だと思っています。入れたての頃は少々色味が薄いのが難点ですが。
書いているときは、本当に微妙に「青い」んですよ。プラチナほど派手ではなく、かといってペリカンほど「薄墨」ではなく…世界一シブい色の一つだと、個人的には思います。(レーシンググリーンもシブいですが)
全体的に、モンブランのインクは大好きです。皆ボトルを褒めるけど、インクそのものが素晴らしいと思います。ラブレターインクも、いい色ですよー。#3776にアダプターを介してカートリッジを入れてます。(^^)
投稿: しまみゅーら | 2008.02.05 09:02
ふふふふ(←にんまり笑い)
昨日の夕方、地元のロフトでダメモトで訊いてみたらあったんですよ、モンブランのブルーブラック瓶。
最近までペンそのものも扱っていたので消耗品は取り扱ってるかもと思いたって買いに行ったら、何だか普通に各社インクがレジ脇に積んでありました(涙)
まさにおっしゃるとおり、この味わいは「もっと早く知っておけばよかった....」というべきでしょうね。
一筆目、あまりの青さに間違って買ったかと思いましたから。
近々ちゃんとブログの記事にせねば。
あたらしいバレンタインインクもなかなか良いと購入した方から伺ってます。
ボトルデザインが素敵でした。
投稿: ほしの | 2008.02.05 14:17