「なにを買ったの? 文房具。」を読みました。
この「なにを買ったの? 文房具。」は、2003年に出た本の第2弾として刊行されたものだときいて早速、発売日に入手。
6年前の「文房具を買いに」を読んで物欲に"火がついた"のは私だけではないと思うのですが。
ドサーっと並べられた大量のMoleskineノート、どんだけ買ってきたんだというほどの塔のように積み上がったオレンジ色のRhodiaメモパッドやクレールフォンテーヌのノート等々、とにかく大量の紙類がレンガのようにレイアウトされた写真の数々に圧倒されたなあ。
自らが撮影したこれらの写真に、Moleskineノートを使うことについて
「ひと月に一冊というペースは、守りたいと思う。」
などという、渋い口調の文章が添えられていて驚愕しましたから。
とかくオススメモードで舞い上がりがちな趣味系分野本においても、こんなに冷静に(でも読んでる方は腹に力が入りまくる)物語りができるのは、やっぱり片岡氏の専売特許だよなあと感動したものです。
文具好きを自認する多くの人のあいだでも、影響の大きかった本じゃないかと思います。
今回の新刊も、第1弾と判型や装丁の雰囲気がほとんど同じ。
もっと言えば、扱われているネタ(撮影素材)も以前と若干かぶってるんですが、ますます"紙束ドッサリ"感のスケールが上がっていて!
愛用品を披露というよりは、カメラ越しに「よい景色」だと思うものを買い集めてくる行為を楽しんでいるんだろうなあ。
あの、大量の、同じ色の色鉛筆や箱買いしたボールペンや腰にきそうなほど重そうな各種紙束は、撮影後どうなったのだろうとか!と思ったり。
「このページの上がアイデアやメモで埋まったとき」
「一冊使い切ったときの爽快さ」
を夢想しては買っていくので、その愉しみに対して実際に使うのが追いつかないので、貯蔵して10年や20年経ったノートも普通にあるという話。
これらもまた見たこともないほど大量に、しかし美しく計算されて撮られた写真に淡々と語りが続いていく...。
ああ~わかるなーと思いつつも、真似できない度のほうが大きいので、次々に繰り出されるドカ買い疑似体験を楽しんでいると、あっというまに読み終わってしまうのですね..。
「撮るために」買い集めたものも多いようで、それを楽しんでいる雰囲気のほうが実は大きいです。
文具写真術の本としてもかなり参考になっています。
まあ私のほうは、著者のようなすごい撮影機材も操作知識もありませんけれど、最終的には対象物への執念と愛なのですよ!を再確認。
一時期、欲しいと騒いだ割にはけっきょく一眼もまだ買ってないのよ~トホホ
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コメント
私もMOLESKINEの使い心地の良さについては、もう何年も体験しているのですが、すご甥ですよね〜1ヶ月に1冊かぁ〜
それに私の場合は、他の手帳類にしても買って満足しちゃう所もあったり・・・ギルティコンシャスの嵐がいつもやって参ります。
投稿: Tinako/Yoko | 2009.04.23 10:11
第一弾、持ってます!
第二弾の情報ありがとうございます。
たしかに被写体としての文房具って感じですよね。
「実際に、やってみた」的なノリの作品も多かった気が・・・
投稿: Moto@ | 2009.04.23 11:33
>Tinakoさん
あの本が出たときはMoleskineがいちばんかっこいいノートとして認知されたものでしたけれど、その後ガラっと紙質等々が変わっちゃったんですよね~今回は取り上げられてなかったので、心配になりました(笑)
時代がすすんだ新刊ではツバメノートがわりとフィーチャーされてます。
>Moto@さん
第1弾お持ちでしたか。私もこのシリーズ好きです。
二冊とも、6年の隔たりを感じさせない一貫した運営方針(?)があって、独特な面白さがあると思います。
今回は、「撮影のためにイイ感じのものを見つけてきた」話からはじまっている件も多くて、こういう視点で買うのもありか、と新鮮な印象を受けました。
投稿: ほしの | 2009.04.23 14:21