「ココ・アヴァン・シャネル」を観てきました。
CG大量投入「じゃない」映画を観にいくのはたいへん珍しいことなのですが、なんとなくまたフランス語がたくさんききたくて(もちろんあんまりよくわからないけど。)出掛けてみました。
シャネルというとどうしても、「どれだけたくさん持ってるか」「今度はこれを、買う/買ってもらう」を語る人が多いブランドという思い出があります。
(そんな時代があったのです..)
実際ちょっと欲しいと思ったものはとんでもなく高価なので、いまだに全く縁がない。
・・・という近寄りがたさでもっていたイメージが、映画でだいぶ変わった感じです。
シャネルというブランドが、どんな精神的背景と志から生まれたものであるか、これはココ・シャネルの少女時代から成功直前くらいまでを描いたお話で、冒頭に貼ったCDジャケットの優雅で満足そうな表情は、ほんとにラストシーンに近い部分。
「アヴァン」というのはavant (= before)のことであり、確かに映画の内容は「シャネル設立より前」なので、そういうことなんですよね?
思いっきりカタカナ表記だったので(名前の一部だと思っていたくらいなので)もうすこし邦題をなんとかして欲しかった感じが...
女性の立場が保守的な時代だったからなおさら、彼女の境遇や若干風変わりなキャラクターゆえに味わった逆風は大変なものだったに違いなく。
(女性として憧れとか目標とかいう以前に、とても真似できない人生!)
そこを才能と人間関係を武器に生き抜いていく強さがあったからこそ、の今があるのでしょう。
もともとあまり基礎知識がなかったので、映画から帰ってきてから「その後」のエピソードを含めてWikipediaで読んでけっこう新鮮な驚きがあり、なにかまとまった詳しい伝記を捜してみようかしらという気になっています。
というわけで、かなり余韻のあるドラマだったのでしみじみと、良い映画だったなあと思ってます。
(これも、エールフランスのなかで上映してたけど我慢してた作品のうちのひとつなのだ。)
ちなみに、私は、ブランド品としてのシャネルは服やバッグよりも、アクセサリーが好きです。
ジュエリーのデザインは本当に素敵!
それにしてもここでは、化粧や衣装で飾った人ではない、という設定のせいか、この女優さん(オドレイ・トトゥ)が今までになく地味な感じであることにびっくりです。
きらきらとした可愛い色っぽさのある雰囲気が好きでけっこうファンだったので、イメージがずいぶん違う。
すこし前に、Chanel N°5のショートフィルムのサイトをみて、ステキー!と思ってたので、勝手にその延長を期待していたのもあったかもしれない。
まんなかが本編、左側がメイキングとインタビューです。
とても美しい映像で完成度高し! 必見です。
| 固定リンク
コメントを書く
★コメントは一度保留され、管理者による承認の後に掲載されます。
書き込みから閲覧可能な状態になるまではお時間を頂きますことをご了承下さい。
コメント
シャネルCMフィルム観ました!
これまで「シャネル」という名前が私の高い敷居として存在したのですが、
このフィルムで少し変わりました。
オドゥレイも素敵ですが、メーキングの監督の考え方に「職人芸」を見ました。
映画、みにいかなくちゃ!
投稿: yuru | 2009.09.23 06:39
多数の奇抜なものを、定番にする物の考え方がとても気になってます。
伝記の他にインタビュー記事もあったら見てみたいです。
投稿: 尚志 | 2009.09.23 10:19
>yuruさん
シャネルの何かを作るということは、あちらのアーティストの方々にとっては、やはり格別に気合いが入るものなのかもしれませんね。
(私はメーキングをみていると、フランス語を勉強したくなります。)
映画はぜひご覧になって下さい。
>尚志さん
他の人がほとんど目を向けないようなものを、じーっと観察していてどんどん服飾に生かしていくシーンがいくつもあって、この感性があってこそなんだろうなあと思いました。
予想していたよりかなり変わった人だと思いましたけれど、これくらいじゃないと成功しないのかも、とも....。
投稿: ほしの | 2009.09.23 15:22