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2009.09.21

「垂直庭園」をみてきました。(ケ・ブランリー美術館)

090904 musée du quai Branly前述したとおり「地下鉄は怖いから近寄っちゃいかんな」と思っていた、パリ滞在初期の頃。
川沿いの道をひたすら歩き続け、大通りの街路樹のむこうに見えた不思議なものが、この"緑の壁"。
(写真の草地は地面ではなく、直角に立っているのです。)
我々の目的地はエッフェル塔だったので、そのまま通過してしまったけれど、ずっと気になってました。

「・・・これはもしかして『pen』に載ってたアレかなあ」
(7/15号の「緑のデザイン」特集。)

部屋に帰ってネットで調べてみるとそのとおり、
パトリック・ブランによる「垂直庭園」だったのでした。
面白い!そして美しい....!

しかもこの、ケ・ブランリー美術館(musée du quai Branly)、歴史ある他の数々の場所とちがって、開設からまもない上に展示物もひときわ異色。
主にアジア・アメリカ・アフリカ・オセアニア圏の、原始装飾芸術がテーマなのです。
・日本語のわかりやすいページ : ケ・ブランリー美術館

後日ひとりでメトロに乗り込んで行ってみたわけですが、遠くからも目立つモダンなデザインの、とてもすてきな建物でした。
ここにくる途中、路線を乗り換えたらいきなり二階建ての長距離仕様な車両だわ、地下鉄のはずなのに地上を走っちゃうわで、「間違った!国境(どこだよ?)まで止まらないかもしれん」と真っ青になりましたが、ちゃんと到着しました....。
最寄り駅はPont de l'Alma。エッフェル塔の1つ前。

090904 musée du quai Branly 090904 musée du quai Branly 

内部は、うねうねと続く高架の道が展示フロアに降りていき、水や木の映像が投影される中を歩いて行く、これまた新しい感じ。
石造りで建物だけで数百年モノのルーブル等々とは違い、体に優しい歩き心地でした。
トーテムポールや部族のお面(干し首とかが混じっていてもわからないくらいのまがまがしい景色)や、大昔の装飾品等々も、暗闇の中に美しい照明効果で飾ってあり、ひきこまれました。
現地で録ってきた、古来から伝わる民族音楽などの貴重な資料も堪能。
せっかくのパリだからと、こういうのは後回しにしてしまう分野かもしれませんが、ここは本当に面白かったです。
オリエンタルなアクセサリーや、大量の写真集が揃うミュージアムストアも必見です。
(針を刺す位置などが体中に印刷された、でも妙にかわいい「呪いの人形」も売っていたのよ~。)

さて肝心の「垂直庭園」ですが、これだけだったら敷地の外の歩道に面している部分の壁なので、通りすがりに鑑賞可能。
おそらく遠くからの見かけも計算されたに違いない、いろんな種類の草花がびっしりと壁に植え付けられていて、下から見上げると実に見事です。
あくまでも主役はグリーンなので、カラフルな花壇のような作り込みは感じられないのですけれど、所々に咲いている小さな花のグループがいい感じのアクセントになってるんですね。
9月になりたての当時ですら、街路樹の紅葉も始まっていた季節でしたので、草の色も変わってくるシーズンもきっと綺麗だろうなあ。
植物はどうやって栽培しているんだろう。
こういうのが東京のビル群にも普及したら楽しいし、涼しいのに。と思うんですが....。

この日、雨がざあざあ降っては突然止み、の変な天気だったのですがそのなかで、必死にのけぞりつつ壁と空を撮っていた私でした。
でも、こんな天気もまた、絵になる街なのですね。
博物館のむこうの、雨に煙るエッフェル塔が、映画のシーンのように格好良くて、うっとり。
090904  musée du quai Branly 090904 musée du quai Branly

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