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2009.10.30

ポンピドゥーセンターで、リサとガスパールの絵本を買いました。

リサとガスパール」のキャラクターが好きで、関連グッズ(主に文房具)をいくつか持ってます。
実は手帳も毎年迷う。
しかし肝心の絵本のほうをあまり読んだことがないので基礎知識不足。
パリ旅の前に、絵本雑誌MOEのバックナンバーを読み返していてはじめて、リサが「ポンピドゥーセンターの青いパイプ」のなかに住んでいると知りました。

そうか!じゃあ行かなくちゃな。
というわけで、幸運にもその日はパリのほとんどの美術館が無料開放される第一日曜日でしたので、メトロに乗って出掛けました。
(最寄りは、11号線 Rambuteau:ランビュトー駅)

090906 Centre Pompidou

この中?

そして反対の、広場側の入り口。
090906 Centre Pompidou

無料の威力もあって、開館前から長~い行列を辛抱強く待ちました。(ここへ新聞やお土産品を売りつける人が現れるので注意!)
この、壁外側についている透明な管の中をエスカレーターでどんどん上っていくと、エッフェル塔や遠くの丘まで見渡せる素晴らしい景色がひろがります。
出来れば、天気の良い日を選んで行かれることをおすすめします。

090906 Centre Pompidou

館内では、マティスやピカソのホンモノがたくさん鑑賞できて、すごく良かったです。
(そして、ポスターでは持っているけど生の迫力がすごすぎてショックだったのが、カンディンスキーやモンドリアン。)
マティスと言えば、中屋万年筆のこれが印象深い。ああいつか同じのが欲しい...っ。

091029ミュージアムショップは明るく広々としていて、書籍のコーナーが特に充実していました。
画集などの芸術分野だけでなく、子供用のコーナーもなかなかの品揃え。

そこにずらっと並べられたリサガスシリーズの新刊、「Gaspard et Lisa au cinéma」を買ってみました。
派手な色づかいが多い絵本群のなかで、映画館のなかという暗い場所をあえて表紙にしたところがかえって目立ってお洒落な感じです。
原書は、線の細めで素朴な手書きフォントをつかっていて、筆の動きがよく現れている絵柄のタッチに合ってます。
(ここは辞書を引きまくりながら頑張って読みたいところ。)

調べてみると、日本でもごく最近翻訳刊行されて「リサとガスパールえいがにいく」というタイトルで出ています。
レビューにも書いてあるけど、表紙がフランス版と同じ絵じゃないのが惜しいな。(場面があまり子供っぽくないからかもしれない。)


絵本以外にもうひとつ買ったのがここの日本語版ガイドブックなのですけれど、「ポピドゥー・セター・ガイド」と印刷されており、なんだかすごく気に入ってしまいました。
ボリュームも薄めで、収蔵品を解説した中身も読みやすいんです。

惜しいことに、表紙だけがぽそぴどぅーせそたー。

ぜひ、おみやげにおすすめ!

ポンピドゥー・センター - Wikipedia

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2009.10.27

蛍光ペン「テキストサーファーゲル」を買ってきました。

091024評判をコミミにはさんでいたので、あたらしもの好きとしては発見次第ぜひともと思っていたのが、ステッドラーのテキストサーファーゲル
固形インクだけど蛍光色、というところがなかなか画期的じゃないですか。

イエローとピンクが欲しいと思って地元の文具店に行ってみたときは既に遅く、なんとその2色は売り切れて(考えることは皆同じなのか?)、オレンジ軸だけが何本か残っていただけでした....。
でも買ったよ!157円。

試し書き用のもので比較すると、オレンジはわりと穏やかな黄色みのある発色で、おとなしめな感じ。
蛍光っぽい"目にささる"感じを求めるならやはりイエロー軸のほうかなと思います。
ピンクはだいたいイメージ通りの色でしたが、個人的にはいちばん使いそう。
次回購入を誓いました。


★数日使ってみて、良いなと思ったところ

・色鉛筆よりもぬるっとした書き味で「油っぽいクレヨン」みたい。筆圧がほとんど要らないので手がラク。

・発色が淡いので目にやさしい。(線を濃いめにしたければ2,3回重ね書きするとよいです)

・インクジェットの印刷面や、万年筆などで書いた上にひいても文字がダメにならない。
 (とはいえ、インクでしっとりしているような筆記直後の状態の上だとやはり滲むというか"もっていかれる"のでそれなりに気をつけたい)

・普通の蛍光ペンと違って、手でこすれたり閉じた反対側のページに転写、などの心配がない。
 色の濃淡にかかわらず裏写りも全く無し。


★ちょい残念なところ

・直径8mmくらいと思われる太芯であるうえに先端が丸いので、「狙った場所にキッチリ」的なこまかい作業は無理。
 アンダーラインというよりは、文字上に重ねるつもりでひくのが基本なのかも。

・ぬるぬるな書き味なので、紙質によってはまっすぐ制御できないくらいすべる。
 あくまでもアバウトに引いたり囲ったり、の用途に向いている(←手先が不器用なので)。

・書き出しや曲がり角で若干のダマというかカスのようなものが発生して、それが紙に貼り付いていることが微少に気になる。(←イエローだとたぶん目立たないと思う。)

・わざわざキャップを紺色にして目立たせているにもかかわらず、逆側の、芯をひねり出すパーツのほうがいわゆる「よくあるマーカーのキャップ」のデザインに類似しているため、こっちのほうをつい引っ張ってしまう。(←私だけ?)


こんなところかなー。
総合的にはとても使いやすくてよくできた製品だと思うので、いずれ3色揃えると思いますし、ブルーやグリーンなども出して欲しいところです。
蛍光ペンの、水っぽさによる支障がほとんど解消されるのが素敵。
ソフトの修得テキストなど、書籍のうえに直接使うには発色含めてとても向いているので購入後数日経つ今、たいへん重宝しています。

今までもずっと、赤のライン専用として伊東屋の木軸シャーペンにユニホルダーの2mm赤芯を入れて愛用しておりまして。
(これもやっぱり「固形」のほうがなにかと扱いやすいからなんですね。こっちは研いで尖らせることもできるし。)


・・・とはいえ、いかにも直液系代表なスタビロの5本セットをパリの文具屋のセールで買ってきてしまったのです。
蛍光また増やすのか。と一瞬の躊躇はしました。
顔がかいてあって可愛いからつい!
ハッキリクッキリが必要なときもあるので、使い分けようと思います...。

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2009.10.21

伊東屋で中屋万年筆を買ってきました。(後編)

前回は軸の件だけで力尽きて書き終わったので、気を取り直して肝心のペン先方面のレビューをしたいと思います。


私はこれまでにプラチナ♯3776系モデルを2本持っていまして、
(・中字のセルロイド金魚軸と、 ・ミュージックペン先の黒軸。)
かなり愛用しておりますので、1万円モデルのボルドー軸細字をさらに買い足したくなって、ずーっと探していた時期がありました。

昨年だったか、何故かそのときに限ってどこに行ってもたいへんに品薄、通販でも「いつ入荷するかわからない」と言われるような状態。
このペン先でも細字を味わってみたかったので、ガッカリしていたのです。

というわけなので、中屋の万年筆はさいしょから、細字を買う気満々で行きました。

Nakaya FountainPen Nakaya FountainPen

試し書き用のペンがたくさんささっていた9本分のらっぱがついたスタンド、すごい迫力だったなあ~!
試筆用のペン達は、いろんな人の手を渡ってきただけあって、どれもフロー多めで当たりが柔らかく正直どれも欲しくなってしまって迷うところだったんですけれど。

今回選んだ細字ペン先、ビシっとした硬さが気持ちよく、いかにもプラチナっぽい(と言ってしまっていいのか?職人さんいわく「まあ、同じようなものです。」)、輪郭のはっきりした、キリリとした線が出ます。
調整してくれる方の面前で字を書くのはすごく緊張するので苦手なんですけれど、なんだか面白くなって、こりこりと「茨城県」とか「細字」とか意味もなく書き続ける私。

いちおう、たいへん人気であるという「細軟」も試させてもらったのですが、うーん、予感はしていたのですが、このふわりとした弾力感は、私の書き心地傾向には全く合いませんでした。残念。
このタイプでもう少し太い「中軟」ペン先も同様。
筆圧の入り抜きがきちんとわかっていて、いわゆる「大人の字」がさらりと書けるような手には、きっと相性がよいであろうことは理解できました。
・・・でも紙上をさりさりと疾走する硬式ペン先を愛する私には難易度が高すぎたのでした。
悔しいー。

そして予想外に、太字、それ以上にミュージック(MS)が書き心地良くて、一瞬手が止まりました。
♯3776で持ってなかったらどんでん返しでこっちに決めていたかもというくらい、すべすべと幸せな感触!


帰宅してしばらく集中して書き込んでみて、実のところ、もうちょいフロー多ければこの硬さは和らぐのかな(試筆ペンみたいな感じに近づけるのかな)、という感想はあり。
川口さんに"インクなみなみ"で調整していただいて購入した「プロフィット21」のEFのほうがほとんど同じくらいの幅で書けるくらいだったりします。
どうしようかな、1週間後にまた調整の方の常駐日があるからもう一度行って、やってもらおうかな。
と、そのとき思ったのは確かなのです。

しかしいくらでもコマカク字が書けてしまう、コリっとした書き心地が1日で楽しくなってしまい、持っているどれにも似ていない個性として可愛がりたくなってきたのでした。
ああ単純。
しかも、その後たった数日ほどで、どんどん、なんだか脱皮するように書き心地がしっくりしてきて、面白いなあと。
今後も順調に愛用していけば、月単位・年単位であの試筆ペンの触感に近づいていくのではないかな。と期待します。

もちろん、目の前でペン先に調整を施しつつ組み立てて頂いたので、書きだしカスレや途切れといった不具合は皆無。
インク出自体も、多すぎず少なすぎず、としか表現できないような「ぴったりまんなか」の程度なのではないかと。
(通販でも対面でも、書き味に関しては、こまかい好みがある場合は対応して下さるのでリクエストするべきですよ。)


薄くて目が詰まった手帳用紙にこりこり字を埋めていくのも、まさに「細字番長」な会社のペン先らしい醍醐味があるのですが。
クッション性ある厚地で筆記摩擦多め系の紙(ツバメノートとか。MDノートなんかも。マルマンのクロッキー帳もいいぞ。)にシャキシャキと書き進めていくのもなかなか新境地にたのしい。
「万年筆は"ぬらぬら"だけじゃないんだぞ!派」の私にはとても相性がよいです。

極細所有であることも手伝っているのでしょうがプロフィット21は穂先がけっこうしなるペンなんだなーと感じるのですが、そのいっぽうで中屋の細字ペン先は、先までがっちり、の堅牢さが手に伝わってきます。
それどころか、このペン先で長時間字を書いたあとは、ペリカンのM800にフンワリな柔らかさを感じたり、モンブラン146がずいぶんしなやかに思えてしまう(いずれもEFペン先で。)という、相対的効果が大きいことに驚かされます。
こういう新たな発見も面白いですね。

Nakaya FountainPenいまのところインクは、購入時にひとはこ頂いたブルーブラックをそのまま使い続けているのですが、好きな色とはいえちょっと実用的に過ぎる感じもあり。
滲みや裏抜けに悩まされないから素晴らしいインクなのですが。
このままこれで馴らしてしまうか、せっかくの軸なのでフロー良好系でいろいろ遊んでみるか、悩むところです。

その他ちょっと珍しいので、売場にあるときに買っておいてもいいかなと以前から思っていてたのが、写真の、ヨーロッパ規格のカートリッジをさすことが出来るアダプター。100円です。
プラチナのコンバーターは持ってるので、必要になるときがくるかどうかは謎ですけれど。
(ちなみに、このアダプタ+ウォーターマンのロングカートリッジは、あまりに長すぎるのか軸内部でつかえてしまってダメでした..。)

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

そうそう、つい2,3日前の出来事なのですが、知っている人にとっては、当たり前じゃんと言いたいであろう話。
なんと、♯3776モデルが首軸ごと中屋の軸にクルクルとそのまま普通に付け替え可能なのでした!!


・と、いうことは、漆軸で手持ちのプラチナミュージックが使えてしまう。
(中屋のほうもその手前のところまで黒いのでほとんど違和感なし...黒い樹脂首軸ですけれど中屋側と目立つ段差もなく、先端にリングがついているのでむしろ豪華にみえたり...)

・そして、漆軸でセルロイドキンギョの中字が使えてしまう。
(これはどう贔屓目にみても見た目にかなりおかしい。
しかしこのキンギョ軸は、キャップ無しだと短くて軽すぎ・キャップは重くてうまく後ろに止まらない、ということに微妙に悩んでいたので、中屋軸にとりつけるとベストバランスになってしまうのが悔しいくらい。)

伊東屋で試筆時のミュージックペン先に後ろ髪引かれていたので、思わず、「ヒャー」と声に出してしまったくらい嬉しかったです。
中字も、首軸だけド派手な見かけはべつとして上記理由で格段に疲れにくくなったし。


セコいこと言ってるなあ..、とお思いでしょうが、あまりに驚いたので世界に自慢したくなるくらいの発見(これはまるで、パリで見かけた「カリグラフィペン先首軸3種 + 胴軸1本」セット商品の合理性を味わった思いだ。)、なのでした。

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2009.10.20

伊東屋で中屋万年筆を買ってきました。(前編)

実は何年もずーっと、いつかはここのペンを買おう…と思い続けていました。
それでもなんとなく「まだまだそのうちね。」とあとまわしにし続けていたのを、とうとう決断!
中屋万年筆の、赤溜・細字です。

先日銀座の伊東屋に行ったのは能率手帳買いも目的の1つだったですが、中屋のイベントが開催されていて、普段売場に置いてあるよりも、ずっと多くの種類の実物がみれる絶好の機会であるから というのも大きいです。
ネット上でいきなり通販する前に、決めきれないことがいくつかありまして、実際にいろいろと眺めたり手にとったり出来る機会がどうしても欲しかったのです。
しかも、職人さんの常駐日かつ平日だし。
(という理由で、雨の中頑張って出掛けたのだ。
しかしその状況なら、対面調整後にそのままお買い上げに至ってしまう危険性もじゅうぶん覚悟。
メルシーポイントやら貯金箱etc..総ざらえでひっくりかえして握りしめて行けば、当然こうなるよなあ!)

Nakaya FountainPen Nakaya FountainPen

赤溜め塗り軸にしようというのは、中屋のHPをはじめて見たときから揺らがずに決めていました。
この濃淡の深い漆の色が好きだったし、使ううちに表面の透明感が加わって更に奥行きが出てくる、という話をきいてとても憧れていました。
売場でたくさんの軸色をみてうっとりしたものの、ここは初志貫徹で。

軸のデザインもいろいろありまして、一応昔から、実際に買うならオーソドックスな「ライターモデル」になるかなと思っていたのですけれど。
長さが"ロング"と"ポータブル"と二種類あるのです。
これがネットに出ているデータでは(数字に弱すぎる私にとっては)イメージしづらくてどちらかに決断できず、ここの万年筆を買う最後の一押しに足りなかった最大の原因です。

結論から言って、私の手にはポータブルでじゅうぶん、というかたいへんに書きやすい。
とにかくこれがちゃんと見て持って較べられたのは良かった。
ライターモデルはキャップ無しで使うのが基本のようなので、通販だったら"なんとなく"ロングのほうにしていた確率が大きかったです。
(実物は、思わず2度見しちゃうくらい長くてすごい迫力。びっくりだ。)

応対して下さった吉田さんも、
「ポータブルっていっても149より長いくらいなんで、違う呼び方のほうがいいかなと思うんだけど...」
とのことで。
(ポータブルは、キャップとじた全長状態でも、ペン先からの軸だけの状態でも、149よりほんのちょい長め。
ざっくり言うと、太さは146と149の中間くらい。 握った感覚はペリカンのM800と近い感じ。
ライターモデルは、普段からこのあたりのサイズに慣れている人向けとも言えます。)


今年に入ってからレギュラーに加わったという、「ネオ・スタンダード」という軸デザインがありまして。
これと対抗馬になるプロポーションの、上述「ライターモデル・ポータブル」を持ち較べてさんざん迷うことが出来たのも、現場(?)に行った甲斐、ありました。

上記リンクの比較画像でみるとおり、ネオ・スタンダードのほうは、上下端がスっとたいらになっており、全体的に流線型。
デスクペンのデザインがベースになっているのだとか。
ネジみぞ地帯も狭めだし、首軸のくびれもシュッとしていて、ライターモデルとの違いは一目瞭然。
正直言って「お洒落!」と感じたのはこっちですし、女性や若い人にも抵抗なく持てる感じがしました。
今後、売れ筋モデルのひとつになっていくんだろうなあ..と。


それでも最終的にライターモデルを選択した理由は、握って、実際書いてみたときの安定感が決め手になりました。
(以下、あくまでも、私の手や持ち方に合わせた結果の感想であることご了承ください)

・全体的にふっくらしたボリュームのせいで指の中の収まりがよい。ほどよくフィットするというか。
 "149キャップ無し"の持ち心地に近い。
・ネオ・スタンダードの首軸はけっこう急斜面な先細りなので、指が滑っていってしまいがち。
 (私は書き量に従って筆圧が高まる傾向なので。)
・キャップをはずすと結構存在感のある、首軸上で広めの「ネジ溝地帯」が、指先のあたる絶好の範囲に巻かれているのがライターモデル。
 ちょうどこの溝の上でぴったりと指を留めてくれるので、他の場所へ滑ったりズレたりすることなく、まったく余計な力が要らない。

キャップ無し状態でのバランスも非常に良くて、(かなり大きいペン先かつ軽めの軸なので)ポータブルだと私の手には物足りないかと心配していたのが、全くの取り越し苦労でした。


漆塗りの手触りは、ぬめっと柔らかで、それまで持っているどんな材質の手触りとも違う、イキモノ的な温もりがありますね。
いかにも、なにかに当たるだけで簡単に傷が付いてしまいそうなデリケートな感じもするのですが、意外と丈夫なんだそうで。
これから、新品時より更に硬くなっていくし普通に扱っていれば大丈夫ですよと言われましたが、もちろん革のペン皿常駐で他のペンとの間隔に気をつけて見守る日々になるでしょう。
何より、この溜塗りの色味がどう変わっていくのか楽しみだな~!
きちんと使って(触れて)いないと綺麗に変わらないというし、革に通じる"育て甲斐"を感じます。

中屋のHPをみていると、個別オーダーって楽しいだろうな!と溜息が出るほどの美術品寄りな特注品も多くあって。
自分だったら(なおかつ予算がたっぷりあったら。)という妄想がもくもくと涌いてしまうので、ほんと、新作ニュースの更新が楽しみで、みていて飽きないのです。

よく読むブログの数々でも、素敵なオーダー例の画像をいくつも見せて頂いていたので、凝り出すとキリがないだろうなあというのはよ~くわかっています。
伊東屋に展示されていたのは主に無地の塗りでしたが、それでもたくさんの色味があって目を奪われました。
まるで美術工芸品のよう..!
十角軸などは塗りの、面と縁の色差が素敵で、かなり欲しいと思いました。
また、ラミー2000のシリーズを思わせるような黒いつや消し軸も、落ち着いた和風っぽくて格好いいのなんの。(触り心地も良かった!)

私も通販で買うつもりだったときは、ちょこっとだけ、ペン先のメッキ色を変えたり・首軸に象嵌のしるしを入れたり..な、少額単位のオプション注文は当初予定していました。

しかしペン先色については、基本の金色がモンブランに使われているのとかなり近い「黄色すぎない、淡めな」イエローを帯びていたので、べつにいいや~とあっさり納得。
(赤い軸+ピンクゴールドにすると可愛い感じになるだろうなと思ったけれど、)こっちも金ペン先としては好きな雰囲気なのでこれで全然OK。

それに、一応その時点で誰も調整や購入待ちの人がいなかったことも手伝って、いろいろとお話ししたり試筆したりして時間を過ごすうちにフッと煩悩が去ってしまい。
結局、その場で組み立て調達可能のいちばんベーシックな仕様でお買い上げしてしまいましたが、"最初の"中屋としては大満足。

このぶんだと"次"がある予感はタップリ。
中屋の1本を買うことで、私の万年筆買いは限りなく"最後"になると思ってたけど甘かった...また「あたらしい沼」に足先を浸けてしまった思いです。


というわけでもう、相変わらず巻きもののように長々書いてしまったので(これから注文するどなたかの助けになればいいなと願いつつ。)
ペン先系の話は次回に記事を分けます。
やれやれ..。 今年ぐらいは、「大物は買わない」と固く誓っていたのに。

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2009.10.13

ハプスブルク展をみてきました。(+おすすめの服飾史本)

買い物用件でもほとんど行くことのない六本木方面。
夫が仕事の用事があるというので、これを機会に未見のいろいろを制覇しておこうと思い、かなり久々に出掛けてみました。
(これは連休前の話。休みの日に田舎からトーキョーに出てくるのは心身疲労しまくるので避けたい傾向に....)

東京ミッドタウンとか、お洒落ですわねー。
地元のショッピングモールとは何もかも違いすぎる。あたりまえか...。

下のほうの階は高級品が多くてぶらぶら外からみてまわるだけだったのですけれど、伊東屋やファーバーカステルがある階は、その他キッチン用品や雑貨のお店もあって、ようやく「おみやげ買って帰るかー」モードに。

結局、なぜか(地元でも買えると思うんですけど)、「白雪ふきん」の友禅染(鹿柄バージョン)を色違いで2枚、これで満足。
店員さんにきいてみたんですけど、これ、漂白剤のお手入れをしても模様の色が落ちないんだそうで!
今まで白無地を使っていたけれど、それなら今後は柄入りで買っていこうと決意。可愛いのが多い。
3年前に購入以来、ずっと愛用しています。
買い足しもしましたけれど、一番古いのでもクタクタなりに現役。

091009 国立新美術館

091009 国立新美術館金曜日は夜8時まで開催しているというので、夕方から行ってみたのが、ミッドタウンから近い場所で開催のTHEハプスブルク(ハプスブルク展)
会場である国立新美術館も行ったのは初めてでした。
おお。これか~!とカッコイイ建物デザインを眺めまくったのですが、「思ってたより小さいんだな..」という感想が頭の中をぐるぐる。
雑誌などの写真でこの内部の景色は知っていたのですが、どうも私の脳内では、(ガラスの曲面壁施設=)有楽町の国際フォーラムとごっちゃになっている感じ。・・・似てない?

今年は、オーストリア・ハンガリー二重帝国と日本の国交樹立から140周年、ということらしいです。
ウィーン美術史美術館、ブダペスト国立西洋美術館に収蔵されている、絵画と美術品が展示されています。
ハプスブルグ王朝は1200年代の終わりから約600年以上続いた家系で、世界史に詳しくなくても、「マリー・アントワネットもこのなかでの生まれ(そしてフランスに嫁いだ。)である」といえば、あーなんとなく...程度の雰囲気はわかるかも。
一族各君主を描いた宮廷肖像画以外にも、熱心に収集された1500-1600年代が主の欧州各地の名画の数々、が主な内容になります。
明治時代に日本からフランツ・ヨーゼフ皇帝へ贈られた、日本の年中行事や歳時記を描いた画帖や蒔絵調度の数々も里帰り展示されていました。

連休前の平日であったこともあり、まあまあ鑑賞しやすい客入りでした。
巨大な作品がゆったりめに展示されていて優雅な気分に浸れます。
そしてもちろんここは日本なので一切の写真撮影は禁止だったのですが、肉眼に焼き付けるべくひっしに見るようになるのでこれはこれでいいよな!と思い直しました。

より深く絵画の背景を理解しつつ眺めたければ、入り口でヘッドホン付きの解説機を借りればよいと思います。
絵画ごとに番号札がついているので、機械にそれを打ち込めば対応したナレーションが流れます。
今回、日本の美術館だから解説は(壁のパネルで短めのが)読めるからいいやと借りなかったのですけれど、いい絵が多かったのでやっぱり使いたかったかもと軽く後悔。
(パリではそもそも絵の名前すら読めなかったので、どの美術館でもこういう解説マシーンの日本語版を借りて鑑賞してました。
確かにこれをじっくり1点づつ最後まで聴きながらという方法は深すぎるので、ルーブル廻るのに1週間かかるとか言われるのも納得はできます...。
とはいえ、ぱっと見の鑑賞だけで絶対わからない、構図や色についての裏話や時代背景の解説が聴けるのでかなり面白いんです。
・・・とか偉そうなこといいつつ、絵の名前だけ画面で確認してどんどん早送りしてしまうのがデフォルトだった私...)

会場は、展示以外にも、「世界遺産」的な美麗映像ドキュメント番組を放映する部屋がありまして、ハプスブルグ王朝時代を理解するのに大いに助けになると思います。
幼児の頃から結婚の取り決めがされていたので定期的に肖像画が嫁ぎ先に届けられていたマルガリータ王女(今回のチケットにもその絵が印刷されてます)のことや、美貌のオーストリア皇妃エリザベート(肖像画がとても美しいです。必見。)の悲しい事件のエピソード等々、椅子に座れる休憩も兼ねて興味津々で鑑賞。

ここで売られている図録は2000円ですが、絵も解説文もボリュームたっぷりの画集として考えるとかなりお買い得なのでおすすめです。
オルセー美術館展のチケットも1枚付いてました!(←10/23までに行くと無料、それ以降は100円の割引券として使える)
せっかくなのでぜひ行きたいのですが、招待券が有効のうちにド田舎から出て行く気になるかなぁ.....。
(本家のオルセー美術館については、たいへん有意義に過ごせたので、ここにも旅行記の1つとしていずれ近々レポートしておきたいと思います。)


ファッションから名画を読む (PHP新書)今回のために買ったというわけではなくて、パリで美術館をいろいろ見てきた → さらに映画「ココ・アヴァン・シャネル」を鑑賞、という流れでなんとなく影響され(笑)、興味が深まってきて読んでいたのが
ファッションから名画を読む」という本。
結果的に、今回鑑賞の肖像画やその他人物画を鑑賞するのにとても大きな助けになりました。
(本当は、こういうのこそ旅行前に予習として読むべき本だったなあ。)

西欧の美術史をファッション(服飾)をテーマに解説してくれるもので、図版もオールカラーで美しい。
携帯しやすい新書なので通勤のお供や、息抜き時間の細切れでちょこちょこと読みつないでいくにも、ほどよくアカデミックな気分に浸りつつ難しすぎない内容かと思います。

女性の貴族階級の服装の変遷に重点を置いていて、ドレスの構造や素材の流行などの小話の数々が、実際の絵画を前にするとけっこう蘇ってきてためになりました。
時代ごとの文様や織布の歴史、化学染料が開発された時代を境に変貌した流行色の解説なども興味深いです。
各掲載図版の収蔵先の美術館なども巻末に一覧で載っており、旅先の美術館を訪れるときの助けになると思います。
もちろん、今回のハプスブルグ展で来日している何点かの作品についても解説があります。
(そのひとつ、「エリザベート」の肖像のドレス、うっとりするほど綺麗でしたよ。
実作品を、絵の具の立体感もわかるほどの間近で見れてよかったです。すごく大きい絵でした。)

肖像画において豪華な服装をきちんと描くということは、その対象の権威や富裕度を表現するための大きな手段のひとつでもあるのですね。
実際、絹の光沢やレースの繊細な文様など、ドレスの布地の写真並みにリアルな描写がされた数百年前の絵画を今までたくさん観てきましたが、ほんっっとうにこれは驚異的で、美術館に行く度にいつも感動しています。
こういうわかりやすい本で、アクセサリー観点の歴史解説本も欲しいなー。

というわけで絵画鑑賞だけでなく、ファッション雑誌が普段からお好きな方にも、読んで損はないと思いますのでぜひ手にとってみて下さい。

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2009.10.09

パイロットのカリグラフィーペンを買ってきました。(PILOT Plumix)

パリで買ってきて、なかなか気に入ったのでほぼ毎日使っているペンです。
Pilot Franceから出ている、あちらのペン習字(カリグラフィー)用のもので、ルーブル下のVirgin Mega Storeで購入。
いまや海外の文具店やコンビニにパイロット(や、ゼブラも多い。)の筆記具をみつけるのはしょっちゅうなので、わざわざ買って帰るのもどうかなと思ったのですが、これはちょっと珍しいような気がしまして。

私も昔買ったことがある、同社の「ペン習字ペン」によく似ているような気がするのですが、カリグラフィのは見たことないなあ....と興味津々。
売場に大量にぶら下がっていたのでよく見ると、字幅がいろいろ揃っています。
(EF~BBまで5種類も! M・B・BBの各ペン先+軸1本がセットになっているパッケージも有りました。
各字幅はパッケージ裏に解説されていましたので、写真ご覧ください。)
091006 PILOT Plumix 091006 PILOT Plumix

あまり太いのは、いま持っているLamy Joyとダブって使わずじまいになるような予感がしたので、ここは思い切ってFニブを選択です。

頑丈なブリスターパックに入ってまして、中にカリグラフィーの詳細なお手本が折り込まれています。
おまけのインクは黒が2本。
(パイロットのペンだけど、ここはやっぱり欧州規格カートリッジ仕様になっています!
長い軸なので、ロングカートリッジやコンバーターも入りそうなのが嬉しい。)

首軸部分がスモーク系の透明パーツになっており、カートリッジとの接続部分がちょうど見えてカッコイイのです。
軸下部がふっくらとシシャモのお腹のように(←これしか連想できない....)膨れており、滑り止めにもなる波状の溝もあってとても持ちやすいです。
デスクペン的なデザインですが、おしりにキャップをさすことは可能。

091006 PILOT Plumix 091006 PILOT Plumix

上記のJoyと同じくスチールペン先で、頭がすぱっと水平に切られていますので、縦線が太く・横線が細く・曲線はリボンのように書けます。
このめりはりある線と、平らなペン先ならではの紙へのくっつき感が細字でも十分味わえて、すごーく楽しいです。
こういうのって、アルファベットだけでなく、タテヨコに込み入った漢字を書くのも結構向いてる気がします。
Fなら取り回し良く小さい字もこまごまと書けますので、能率手帳などの小型の紙面にも十分使えておりまして、これは買ってよかった!
(EFも買ってくればよかった!)

ただし、難点を言えば、ペンポイントがなくたいらな金属板に切り割りが入っているだけなので(お好み焼きやもんじゃ焼きの"へら"を想像して下さい。)ので、書き味は若干シャカシャカ系。
同じ「たいらペン先」系の、プラチナのミュージックや、ペリカンのBニブなどとは、滑らかさや幸福感(?)が格段に落ちることは確かです...。
普段使いにするには耐久性等々気になりますが、この字幅でこの書き味というのが実用的かつ楽しすぎるので、今後かなり出番が増えそうです。
ああ、細字基本でなおかつ平研ぎの万年筆がないものかなあ。

8ユーロちょい(1000円くらい)の価格でした。
普通の学用品のコーナーやレジ脇にまでたくさん揃っていましたので、こういうのを使う、書き方の授業なんかもあるんでしょうね。

日本で売られているものか調べたところ、残念ながら海外通販でも頼る以外は無理であるようなのですが、このペンについては「細字万年筆にこだわる」さんで詳しい解説がされており、勉強になりましたのでご紹介します。
(売ってればもちろんカラー軸のほうを選んだと思うのですが....あの店では見なかったなあ!いや、気がついてないだけで、あったのかもしれないなあ!と、今になって悶々としております。)

本家のサイトによると、品揃えはこんな感じです
逆輸入ということになるのでしょうが、ぜひとも、日本でも買いやすくしてほしい商品ですね。

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2009.10.07

「クオバディス+ミッフィ」の文具みやげ。

フランスの子供用万年筆は、日本で言うところの「かきかた鉛筆」のようなものなのでしょうか。
それを使って、フランス罫のノートの上で一生懸命お勉強するわけですよね?
新学年準備の文具コーナーに大量に揃って(ぶら下がって)いて、みてるだけでも楽しかったんです...
男の子用のヒーロー系キャラクターやロボットの絵が入っていたり、パステルカラーに花柄が入ったものetc。
どれも10ユーロ未満のもので、当然この値段だと、教室の床に落としてもダメージ少なめであろう(笑)樹脂製でカジュアルな感じのもの。

091006インクも、スーパーにぶら下がってるタイプのものは驚くほど安いです。
これなら惜しみなく学習できますね。
モノプリで思わず買ってしまったのが、青のカートリッジが30本も入って0.99ユーロ(130円くらい)のお買い得なパッケージ。
いかにもBiC製な黄色いデザインも可愛い!

モンブラン・ウォーターマン等々、大抵のブランドにも使われているのでお馴染みの、欧州規格ショートカートリッジなんですが、Erasableと書いてあります。

これに関する説明書きは特にないのですが、鉛筆やフリクションの如くこすると消えるのか、ペリカンのSuperSheriffのようなインク消しが使えるという意味なのか(←たぶんこれかな?)、それとも自然に消えてしまうのか....?
なにぶん近々の出番待ちで封を開けていないので謎です。
欧州規格がこんなに手に入りやすいなら、独自カートリッジのラミーなどは、この国ではちょっと不利かなあと余計な心配をしてみる。

今回私が自分へのおみやげにしたのは、QUOVADISから出ているMiffyもの。
これは行く前から本国のサイトでチェック済みで、「見つけたらぜったい買ってこよう!」と思っていたもの。
もう明らかにお子様文具ラインなんですけれど、わりとお洒落な絵柄だと思います。
japon的なkawaiiを意識して展開しているデザインである(超・雰囲気訳。)とのことなので、日本でも売ってくれないものかなあ。

この時期売っている手帳は、9月始まりの新学年対応のものばかり。
子供用クオバディスは、1日1ページタイプのレイアウトが多かったです。日記帳にもなりますしね。
(さすがにこれは使いみちがないので買ってきませんでした。)

ペンケースは、大人が使うにはあまりにも巨大なので、ポーチ的に使おうと思ってます。
ふわふわした芯が入っていて、ファスナーのツマミもミッフィマスコットがついてて、たいへん可愛いらしいです。

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万年筆は、軸は非常に軽くて華奢、キャップは勘合式、グリップには滑り止めのザラザラもついてます。
ペン先は"太めの中字"程度かな。
青のショートタイプのカートリッジが1本同梱。
書き味は....きっと結構大味な予感....手の小さな子供の字の練習にはいいと思います。
まだ試してない。いつインク入れるかもわからない。でもとにかく確保しておきたかった...
寸法的にウォーターマンなどのコンバーター程度は入るようなので、なにか変わったインクを買ったときに使いはじめてみたいと思います。

ああ、どれも未使用=ただの土産自慢、で終わってしまったっ。
次回はちゃんと使ってるものをレビューします乞うご期待。


補足:
ペンケースの前に写っている白いシャーペンはファーバー・カステルの「グリップ2011」です。
(これは、ちゃんと使ってるわ)
発売が始まったばかりの頃のシルバー色軸を伊東屋で買ってひそかに愛用していたけれど、椅子のキャスターでバリリと踏み割ってしまい、ショックのために寝込んでしまったくらい残念だったものをパリにてリベンジ購入。
日本でも普通に買えます。この白は、ほんのりアイボリーという感じで綺麗なんですよ!

0.7mm芯で、丸みのある三角断面が特徴。
滑り止めのゴムの水玉がついていて、書きやすいです。

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2009.10.03

能率手帳ゴールド、3冊目になりました。

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(私にとっては)奇跡の3年連続愛用になるであろう能率手帳ゴールドです。
銀座の伊東屋まで行って買ってきました。
うちの方の店では全く売ってませんので.....
・昨年買ったときの記事: はじまりは、能率手帳ゴールド。

こんど買うときは名入れ仕様で!と何ヶ月も考えていたのですがあいにく、ネット通販のほうで注文できる書体は、かっちりめの雰囲気。
欲しいのとはちょっと違うかなあという感じ。
(とはいえ、カッチリ系フォントのほうが、この手帳を使う人の大部分の需要に合ってるのだと思う....)

無難に、名無しバージョンを通販しておくか。と考えていたときに、
伊東屋の名入れなら、筆記体っぽいデザインでも選択できるとtwitterで教えてもらいました!
数百円ながらも、そろそろ使い切らないと無効になってしまうメルシー券(紙)と、カードを作って以来10年日記を買ったりしてそこそこ貯まったメルシーポイントも手元にある。ということで。
(あ、去年の記事では既に2009年分のリンク切れてますが2010~版も発売はじまりましたよー
・・・あれっ、今度のからヨコ罫線が入ってるのね?だいぶデザイン変わったような..)

いや~久々の銀座、大都会だ!
名入れ待ちに時間が掛かるのが面倒なので、平日に行けばどこも空いててラクであろうと思っていたのにやはり伊東屋は大変な混雑ぶりでした。
手帳やバインダーの名入れカウンターでは、この日は120分待ちとのこと。
選べる書体は3種類、さらに金色・銀色・素押し(凹ませるだけで色無し)の3パターンを選択可能です。

まあ、能率手帳ゴールドなんだからひらきなおって、ここは金文字を入れたい。
表紙に押すことをすすめられたのですが、既に「’10」の文字が大きく光っていたし、同じ面に金文字を更に足すのも視覚的に混み合っちゃうかなあと思いまして。
結局、裏側の下隅にお願いしました。
この部分、比較的よく触るところではあるので、使っているうちに文字色など薄れたりしないのか観察したいと思います。
意外と丈夫そうな予感はしますが。


あらためて古い(+使用中)のと一緒に3冊並べてみると、新品のほうはまるで違う革のようにも思えます。
09年版も既にくたくたに柔らかくなっていて、手触りもしっとりして手にすいついてくるようなフワフワに育ちました。
小傷は無数にありますが、指が当たりがちな所々でシボが消えちゃってる上に、くろぐろつやつやとして、いい感じです。
新しいほうは、文字どおり手つかずで、ピシッとどこまでも均一な無表情の羊革です...
金色の小口も傷1つ無いので、ぴっかぴかに反射してまぶしいくらい。
これがまた同じようにどんどん変わっていくのだと思うと、使いはじめる日が楽しみ!

この手帳の紙はブルーブラックインクがよく映えるので、それを入れた細字のペンでばかり使っていますが、シャーペンやゲルボールペンでも書きやすい。
万年筆では、大抵のインクで抜けや滲みも心配する必要がない点も良いです。
うん、やっぱり「続いてる」いちばんの原因は、"紙が好きだから"なんでしょうね。書いていて楽しい贅沢さがあります。
これで大きいノートやデイリー手帳があれば的なこともつい考えたりしますが、ウィークリーならではの付き合い方だから長続きするのかもしれません。

ゴールド(というか、能率手帳そのもの)を使おうという気になったきっかけは、「能率手帳の流儀」という本を読んでからなんですけれど、今もときどき本棚から取り出すくらい、手帳本として気に入ってるんです。
よろしかったら手にとってみてくださいね。

月間ページがブロックだったらいいのに。とか、茶色や赤革作らないのかなという淡い希望はこれからも打ち砕きつつ、毎年頑固にこのままなのでしょうね。
しかし、自分なりの書き込みや閲覧ルールが根付く点でも毎年同じ手帳を使うことは確実に良いことだと感じています。
これからも出来れば(保証は出来ないけど!今のところは!)毎年使って積み上げていきたい、と思える存在です。


091002 Ginza, Tokyoこの手帳にしてから、昨年のぶんを手元の引き出しに入れて、しょっちゅう見直しては、ちょっとしたメモが役立っています。
(いたって生活感あふれる、買い物メモや家事的な金額のリストだったりすることも多いですが。)

例年の予定のシンプルな記録はフランクリン・プランナーの月間リフィルに蓄積しているのでそれをインデックスがわりにし、該当する日付の能率手帳のページをみて、さらに詳細を知るというパターンが多いかな。
週間のTODOは、週の初め(または前週の終わり)のタイミングで右側の白紙ページにどんどん書いていくようにしています。
それをデイリー手帳のほうに毎日降ろしつつ、当日のTODOを組むというやりかた。

いま現在のデイリー手帳は、COUSINだったりノート+日付スタンプだったりいろいろ。
毎日書く一定の場所は必要ですが、1年使い通すほど定着できない飽きっぽさは身に染みたので、こっち系はもう"手帳"タイプを買うのやめたほうが地球にやさしいんじゃないか?とすら思います。

日々のメモでの余程の件は後日に連番をつけてMoleskineに抜き書きをしているので1年同じものを使い続けることも、長く保存することも必要なし。
日付を印刷した手帳であることに拘る必要はないのです。
.....でもそのうち買っちゃうんだろうなあ、ほぼ日とか...。


とはいえ実は最近は、書店特設の手帳コーナーがいちばん楽しいんです。
主な品揃えは、能率・高橋書店・博文館といったところ。
表紙の見かけは地味目がほとんどだけど、長年の国内実績で、使い勝手が深くこまやかに工夫されているところが好き。
紙や製本もよく研究されているんだろうなと思われるものが多いし。(そして値段も実用的!)
立ち寄る度にグラッとくるようなものを発見することがしょっちゅう。

手帳買いはこれで終わりにするのが理想なんだけど、年末まで耐えられるか自信ないわ~!

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2009.10.02

太字のサファリを買ってきました。(ペン先B!)

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3年以上ぶり、にラミーのサファリ万年筆を購入しました。
海外のどこかの文具屋で見つけられたらそのときに。と考えていたペン先Bです。
(Bニブは日本で未発売ではありますが、並行輸入のようなかたちで仕入れているお店ならば日本でも入手可能です。
在庫のタイミングをみる必要がありますが、例えばレクスタイルさんなど。)

購入は、パリのとても古い時代から続く商店街(詳細後述)のなかにある、これまた歴史ある画材店。
サファリはレギュラーの色味のほかに、オレンジ銀クリップの軸がざくざく並んでました。
ここは原点に返って、赤軸を選択。(Fニブでも持ってるけどお休み中...)
勝手ながら私は昔から、「サファリは、今後どんなに限定色が出ても、見た目の完成度は赤軸と黄軸に敵わない。」と確信しておりまして。
やっぱり、ペン先含めて黒のパーツとの色バランスがたまらなく良いんですよね~。

ゴロンと大きなペンポイントがついているBの書き味は、ねっとりと紙に吸いつくような不思議なみずみずしさがあって、これは愉しい!
太字な上にまだすこしペン先に馴染みが足りないので、若干筆記角を選ぶ面があるけれど。
字幅はロディアの5mm方眼くらいならアルファベットは大丈夫。(漢字はきついかな....)
普段から8mm前後の太罫ノートを愛用する身としては、あらーぜんぜん普通に使えちゃう太さじゃない?という実感があります。


現在所有の黄色軸(EF)の話になりますが、これはもう買ってから5年くらいは経っていますが、私的には史上最高に近いレベルで大当たりペン先で!
その後どんなに筆記具総数が増加しても、これだけは休ませることなく身近に置いています。
ほぼ日などの"毎日書く手帳"+万年筆の組み合わせに目覚めたのもこのペンの功績と言ってよく。
その後勢いづいて、FやEFばかりでどんどん集まったわけですが(同じニブとして買った万年筆にも、はげしく個体差がある!という件はこの時代で学習)、結局現在はほとんどインクを抜いて洗浄休眠中。
当然これに合わせて買ったコンバーターもやたらと余っているわけで。
うぅむ。きっといつか復活させますさ。

ごく最近から、黄軸が微妙に色味変更されたことをコミミにはさんで、半信半疑で近所のLOFTに見に行ったところ、うわ、爽やかな明るい檸檬色になってる!とびっくり。
これはこれでもちろん綺麗なのですが。
いかにも樹脂っぽいレゴ系な原色を愛する私としては、少々寂しい改変ではあります。


サファリが面白いと再び思い始めたきっかけは、はじめて中字(M)で購入してから。
なにかと実用的な字幅である上に、滑らかでまあるい書き味なんです。
これには今、ターコイスのカートリッジを入れて使ってます。
開封したての水分たっぷりなときは、既にボトルで持っていたペリカンのターコイスと見分けがつかないほど似た色味で、若干がっかりもしていたのですけれど、ラミーのこの色は少し時間が経って軸の中で煮詰まってから、くらいが本領発揮。
青み多めなエメラルドグリーンというか、孔雀ブルーというべきか...なかなか美しいので気に入ってます。


というわけで、サファリは、手帳用にはEFなんだけど、さらに良さを味わってみたいならM、機会があればBもいいですよ~!というお話でした。

ああ、いまだにみたことがないけどピンク軸でも欲しいのだよ…

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今回赤軸Bニブのサファリ他、を購入したのは、Passage Choiseul(パサージュ・ショワズール)という、庶民的なアーケード街。
設立は、なんと1825年頃なんだそうで!すんごい古い!
90905 Passage Choiseul 90905 Passage Choiseul
オペラ座や日本食ストリートの近くにあります。
泊まったホテルからもすぐそばでした。
200m近くある、かなりの規模の商店街なのですが、そんなに活気があるわけでも観光向けという感じなく、どちらかといえば近所の人々向け的な地味さがあり。
午前中などは特にひっそりめな雰囲気...。
(通路の両端に門があり、休日や閉店時間になるとここが閉められるようです。)

090905 Passage ChoiseulこのなかにあるLavrutという画材屋さんも看板によると1922年開店ということなのかな?
とても老舗ですね。
古い建物のせいか、店内は奥行きが驚くほどあり、画材類の品揃えも本格的。
日本のコピックなどのカラーマーカー類もどっさり置いてありましたし、巨大なカンバスや額縁なども奥の方にたくさん。
まさにプロ御用達のオーラを放っていました。

そんなお店でサファリやクオバディスをちまちまと買っていく私...!
レジのお兄さんがモデルのように格好良くて、思わず目から☆がとびでたことも書いておきたい。

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