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2010.02.07

「1ヶ月のパリジェンヌ」を読みました。

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パリ関連本を読むのがすっかり趣味になっているのですが、これは装丁があまりに素敵だったので、店頭で衝動買いした本です。
1カ月のパリジェンヌ

金文字の押された濃いめの紫ピンク(この色大好きだわー!)の表紙、ベージュの外箱に巻かれたターコイスブルーの大きな帯etc. の配色にうっとりしたのですけれど、なんといってもリング綴じ製本ってところが良いのです!
表紙裏にもボールペンで走り書きしたようなメモや、チケットなどの紙片が押し込まれたポケットが実写印刷されていたりして、すごく凝ってます。
---というようなことが、Amazonの商品画像だけでは全然といってよいほど判らないのはショックだ.....。
こういう本に出会うためにも、書店で選ぶことって大事なんだなと思いました。

約一ヶ月のあいだの、ホームステイしながら地元の人達と交流したり型押し(カードや便箋などへのエンボスのことですね)の職人に弟子入りしたり、の淡々と語られる日記文の合間に、スナップ写真やスケッチやコラージュがこまごまとはさまれていて。
まるまる1冊、荷作りのリストから帰国の日までがかきこまれた、旅の記録帖になっているのです。

平澤まりこさんの本は以前もレビューを書きましたが、内容は全く違うながらも前回となんとなくつながっているような気がするのは、ラッピングペーパーやメモの方眼に直接描かれたスケッチなど、「お気に入りの紙」の質感が、コラージュの中から味わい深く伝わってくるからかも。
(今回も、フランス罫の用紙にこまかくかきこまれた街の地図がお気に入りです。)
そういえば、前回レビューで気に入っていた「表参道茶寮」、先日とうとう閉店しちゃったんだ.....(涙)

きちんと「型」そのものを彫ることからはじまる、型押しペーパーアイテムを作る仕事の詳細な工程解説なども、全く知らない世界なのでさすがこういうのはフランスの文化なのだなあと勉強に。
市場に買いに行く新鮮な野菜や、通りすがりの露店で買ったものや、パーティでふるまわれる家庭料理等々、美味しいものの話も度々出てきます。

観光や買い物に徹する「パリ日記」でなくても、ごくふつうの生活の中で発見する小さな感動から始まり、異国での生活から来るうっすらとした疲労までがこまごまとメモをとるように描写されていて、それがかえってこの場所の空気を思い出させてくれるんですよねぇ。
なーんてツウぶりたくもなるけど、私は1ヶ月どころかたった1週間のパリジェンヌなのだった。

最後のページに近づくのがつらいけど読まずにはいられない気分に悶々とする、近ごろ珍しいほどにお気に入り度の高い本となりました。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

こういう旅日記は現地でも相当量、書いたり描いたり情報をまとめたりの作業をしたと思うのですけれど、そのあたりの制作裏話的なノウハウも知りたいです。

近年とくに、旅から帰ってきて「語学力以外で」私がもっとも反省するすることは、以前はホテルやコンベンションセンターのロビーでも延々とパソコンを打ち続けてネット上の日記を更新していたくらいの、旅行記録に対する執念と根気がなくなっていること!
(トラベラーズノートのプロモーションでよく掲載されているような、現地での緻密かつ丁寧なスケッチ日記みたいなのを作る人ってホントすごいなと思う。
私なんか毎回寝る前にへとへとになりながら「なにかを貼るだけ」なんだよ?)

それでもなんとか直近のパリ旅では、いつもよりは幾分多めに帰国後のいろんな記事を書くことが出来たのは、いままでになく大量に写真を撮りまくってFlickrにupできたことや、一応旅日記らしき記述をtwitter上にライブでぽつぽつと数件づつですが毎日書き残せていたから、かもしれないです。
年々、ものぐさを助けてくれるテクノロジーがすすんでいくのは有り難いよなあ!


ちなみに、自分のtwitterのログはTwilogでブログっぽいカレンダー形式にまとめておけるので登録して利用すると便利です。
チャット的な交流よりも、情報の発信にウエイトを置いた使い方をしている人には特におすすめ。
私もちょうど旅行期間のログを抽出して、あとから記憶を引き出すのに結構役に立ちました。

ブログに纏めるほどのエネルギーが湧かない小話でも、140文字制限のカードの如く、ウェブ上にぽつぽつと置いていく感覚は楽しいものです。
twitterは今となっては大流行中のシステムですがだからこそ、初めて知った頃の第一印象に返って「メモ用のミニブログ」として活用したい気分にもなってます。

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コメント

凄く奇麗な本ですね・・・私も最近ちょっと本作りを考えておりまして・・・こんな奇麗な本、参考になります。

投稿: Yoko/Tinako | 2010.02.07 11:00

この本、とっても装丁が素敵ですよね。
私も発売と同時に買ってしまった一冊です。
中のイラストや写真の配置の仕方や色遣い、コラージュなど、
どれを取っても素敵すぎる…。

私も思い切りもったいぶりながら読みました。
最近本棚に眠りっぱなしでしたが、久々に読もうと思いました。

投稿: tenn* | 2010.02.07 18:03

>Tinakoさん
装丁にこだわるのは、本作りをする上でとても楽しいと思います。
紙に思い入れの多い著者さんなので、文具マニアとしては、読んでいてそのヨロコビが伝わってくるのですよ。


>tenn*さん
先日購入したイラストレーションの雑誌(「イラストノート vol.12」)を読んでいたら、平澤さんのインタビュー+この本のメイキング記事が出ていたので。
ふらっと探しに出掛けたら、実物は想像以上にステキ!
発売当時は原画展も開催されたとかで、ああ見たかったなあと思いました。
大切にとっておいて、ふっと見直したくなるいい本が多いですね。

投稿: ほしの | 2010.02.07 19:10

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