「ブラック・スワン」を観てきました。
アカデミー賞系(?)、先日の「英国王のスピーチ」で気をよくして今度は主演女優賞のほうの作品であるこちらを観に行きました。
・映画『ブラック・スワン』公式サイト
バレリーナになりきるべく、ナタリー・ポートマンがかなり過酷で長期にわたるトレーニングを行ったとのことで、舞踊シーンの迫力はなかなかのものでした。
(さすがにプロの代役を使った場面もあったろうと思うのですが、体型も絞れてて違和感がない。)
バレエ好きの人にはおすすめですね。
・・・などと爽やかに締めくくりたいところなのですが、実はかなりドロリとした心理サスペンスであり、つらく悲しい作品であると言えます。
ホラーかつ官能的な要素も多めなので、「白鳥の湖」の芸術イメージだけで出掛けるのはあまりにも危険ですよと太字で注意書きしたい。
周囲からまんべんなく競争や嫉妬の感情をぶつけられて、だんだんと、文字どおりの暗黒面に墜ちていく主人公が可哀想なんだよなあ。
(確実に成功に向かっている流れである反面、どんどん内面崩壊の場面率が増えていく。これがひたすらつらい。)
ナタリー・ポートマンという女優さん自体、優等生で清純派で完璧を追究するというイメージがあるので、観ている側も世界の中に入り込みやすいと言えます。
こういう見た目と雰囲気のプロのバレリーナなんて実際いないんじゃ?!と素人目にも怪しい気がしたほど過剰にクネクネと色っぽ過ぎるミラ・クニスとか、プリマの座を追われて過去の栄光を捨てられず暴れる役にウィノナ・ライダーとか・・・
要するに、ちゃんと「(世間の期待を裏切らず)狙った」配役がされているところに、この作品の安定があるんじゃないかなあ。
渾身の作品ではありますが、予告編映像を最後まで見て生理的に駄目だと思った方は素直に躊躇した方がいいかもしれません。
本編はもっとすごいです。ふんだんに特殊効果使ってます。
私は、昨年に七転八倒した蕁麻疹の痒さやヒフ面の視覚がフラッシュバックしてきて帰宅後の今、ちょっとムズムズしています。
結局そればかり頭に残ってしまってですね...せっかくの音楽の素晴らしさがだいぶ記憶の下層に沈んでしまってます。残念であることよ。
というわけで、やっぱり(私にとってはじゅうぶんに)ホラー映画でした。
実生活では、この映画の振り付け師の人と結婚されたのですよね。どうぞお幸せにー!
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コメント
こんばんは!
前回初コメしたのが、『英国王のスピーチ』に関する記事を拝見したときです。
映画の好みに共通のご縁があるみたいだなぁと思って、またコメントします。
今日私も「シネマズデイ」でこの作品を観てきたのです。
とにかく、痛くて、不快さが残る映画でした。
映像や音楽、ナタリーのお芝居、バレエ…、すばらしいんですけど、
友人達にお薦めする感じでは無かったです。
ストレスとか、強迫観念とか完璧主義とか、そういったことがこの作品の主題だから、
好みやタイミングの問題なのかもしれませんけどね。
美しかったけど。どうなんだろう…。
僕はもっと明るくて元気をくれる作品をいまは観たい。
あとウィノナ・ライダーの役とか、シャレにならないと思いました。
「がんばって!」と思いました。
突破せよウィノナ。
投稿: ロジャースミス | 2011.05.14 21:37
こんばんは!
こういうつらい方向性でクタクタに疲労した映画を観たのは久々かもしれません...
もうずっと頭の中で「うわぁあああああ」って悲鳴上げてました(涙)
あんなふうまでになったら苦しくて踊ってる場合じゃないのにすごい精神力だ!とか変なところで感動してましたけれど...
あのカユい感じを無理矢理に除外して思い起こせば、かなり深いテーマで心に刺さる物語であったと思います。
私、ウィノナ・ライダー昔から好きなんですけど、ここでこうくるのか!という感じでした。
(もっと出番増やしてねちねちと絡んでナタリーを追い詰めて欲しかった~とか思ったりして。)
投稿: ほしの | 2011.05.15 00:51