「英国王のスピーチ」を観てきました。
2月の公開作品で、以来気になっていましたが、アカデミー賞の好成績で延長上映していたのでようやく観てきました。
・映画『英国王のスピーチ』公式サイト
いやー非常に感動しました。おすすめです。
現エリザベス女王のお父上の話なんですね。
兄王のいわゆる「王冠を賭けた恋」として知られる件のせいで、弟である自分が即位しなければならない理不尽さや、幼い頃からのトラウマなどたくさんの苦悩を抱える日々を、やがて友人となる言語聴覚士ライオネルや家族と一緒に少しづつ乗り越えていくわけですが、アカデミー受賞も頷ける、本当に名演です。
(もともとこういう喋り方の人だったのかと思ったほど。)
人物と背景周囲との画面の切り取り方も各場面で独特さが目立ち、印象に残りました。
王妃役のヘレナ・ボナム・カーターがあまりにも今まで他の作品で演じていた役と印象が違うので、もうびっくり。
献身的でキュートな奥さま、という感じ?
ハリーポッターやアリスとは全く違うところが新鮮。
見かけだけで言えば、ライオネルの奥さん役のほうが王室っぽい雰囲気は合ってるような気はしたけど!
エリザベス(現女王)とマーガレットの小さい姉妹たちもすごく可愛いのです。
終盤の最高の見せ場と言える、第二次大戦の開戦演説の場面、とても良かったです。
放送室で向かい合うライオネルを通して国民に必死で語りかける王、ラジオの前に集まって聴き入る大勢の人々、背後に切々と流れるBGMはベートーベン交響曲7番の第2楽章。
状況は違いますが日本もいま国として困難な状態であることも重なって、心にドーっと盛り上がるものが。
ああこれは永く残る作品になるんだろうなあとしみじみしました。
下記は、ストーリーがかなり詳しく書いてあるので鑑賞の終わった方向け。
ページ内一番したの外部リンクから、ジョージ6世の実際のスピーチ音声などを聴くことが出来ます。
・英国王のスピーチ - Wikipedia
関連で「王冠を賭けた恋」周辺の知識は下を。
・エドワード8世 (イギリス王) - Wikipedia
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コメント
ほしのさんの映画評待ってました!なかなかこの作品が出てこなかったので、こういうのが嫌いなのかと思ってました。
私も二人の友情や家族愛に感動しました。ご本人は映画化など死後何年禁止とか決めていたとか。個人的には、ポスターで王が真正面をまじめな顔で見ているのに、後ろのライオネルと奥さんが明後日のほうを見ているのが面白いなーと思ってます。何か理由があるのかしら?
これからも文房具と映画評、楽しみにしています!
投稿: ako | 2011.05.03 06:06
こんにちは、いつも読んでます
でも初コメです(*^^*)
「英国王のスピーチ」、僕は関西在住なのですが、震災の翌日の土曜に観に行きました。
映画どころでない、と思いながら・・・。
お客さん少なかったです。
終盤のシーン、独裁者に敢然とした姿勢であれと呼び掛けるスピーチが、僕もこの国難に重なってしかたありませんでした。
ひとりで観ていたので、何の遠慮もなく、目から汗が流れ落ちていました。
ほしのさんも同じことを感じられたんですね。。
「いや~映画って、ホントに(略)」という感じでした。
投稿: ロジャースミス | 2011.05.03 10:36
文具つながりで拝見しております。「電網郊外散歩道」のnarkejpといいます。私も先日この映画を観たばかり。良かったですね~。国王のスピーチが、国民の方向を示すものだと、王室に生まれるのも楽ではないのですね~。ライオネルの奥さんの善良さ、誠実さ、夫への信頼が光りました。
投稿: narkejp | 2011.05.03 11:19
>akoさん
いつもありがとうございます!
うちの映画鑑賞法は非常にわかりやすくて
・「これは映画館で観ようか」←特撮いっぱい迫力系
・「レンタルDVDでいいね」←人間ドラマ系
の2通りに分かれるのですが、この作品も危うく後者に振り分けられるところでした...
アカデミー賞にお礼を言わなければいけませんね。
やはり、実在の人物のデリケートな面を扱う話ではありますので、ご親族も作品化されることは複雑な思いでしょうね。
しかし現エリザベス女王が鑑賞されて「気に入った」とコメントを出されたとのことで。
http://www.cinematoday.jp/page/N0030168
これはやっぱり名作なのですね!みてよかったです。
投稿: ほしの | 2011.05.03 16:27
>ロジャースミスさん
はい!
まさにこれは、鑑賞時期が3月11日の前後では感想がだいぶ違ったことであろうと思いました。
共感して頂いて嬉しいです。
あの演説は胸に迫るものがありましたね。
日本でも震災後、天皇陛下のお言葉が放映されましたが、じっと聴いていたときの気持ちを思いだしてしまって・・・。
いや~映画って、ホントに(略)!
投稿: ほしの | 2011.05.03 16:43
>narkejpさん
トラックバックもありがとうございました!
音楽も良かったですよね。
数々のクラシックが効果的に使われていて楽しかったです。
そうなんです、ライオネルの奥さん、あの雰囲気と頼もしさで私もファンになってしまいました。
(気になったので調べてみたところ、実年齢はまだ40歳そこそこの演技派女優さんで、もっとびっくりしたことに、スパイダーマンシリーズで主人公の叔母役の俳優さんの実の娘。
どうりでなんだか既視感のある顔だちだと...)
息子たちもいい子でしたね。
ライオネルは、家族に恵まれてこそ、王との信頼を築きつつ、あのような大仕事をこなしていけたのでしょうね。
投稿: ほしの | 2011.05.03 17:03