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2012.02.13

「ドラゴン・タトゥーの女」を観てきました。

B006U9D4U8以前から公開を楽しみにしていた作品です。
ドラゴン・タトゥーの女 - オフィシャルサイト

2009年公開のスウェーデン版は、CATVでの放映やレンタルDVD含めてもう何回か鑑賞済みで、それがこの作品を知るキッカケにもなったのですが、原作本のほうも比較的最近に文庫で購入しました。
(とりあえず今作にあたる第一部は読了し、つづきを読んでるところ。)

・・・というわけで、映像的な刷り込みや、結末を含めた隅々の話までもが頭に入った状態で今回のハリウッドリメイク版に臨むことになりました。
期待を裏切らない面白さだったので満足なのですが、仮に全く予備知識のない「素」の状態で鑑賞できたらどんなだったかなあ、と何度も考えつつ帰宅。
どうしても、先に公開されたほうや原作と較べてしまい、頭の中が忙しくなってしまうんですよね!


ミカエルにダニエル・クレイグというのは合っていて良かったです。
かつて観たスウェーデン版での俳優さんが、交際相手に不自由しないモテ役の割には、地味なおじさんふうの印象だったのが気になっていたのです。
だからなかなか感情移入できなかったというか...

今回でアカデミー賞にノミネートされたリスベット役のルーニー・マーラは、この映画のためにピアスを開けまくったそう。さすがの大熱演でした。
もともとすごく綺麗な人なのにここまでなりきれるっていうのはすごい。
つまり、リスベットっぽい恰好じゃないときはガラリと美人になれるという特性が終盤のシーンで生きるのですね。
原作では、年齢もぱっと見でよくわからないような中性的イメージで描かれている人物ですが、ルーニーさんはもうちょい女性らしい雰囲気があって、私はそのほうが好き。

ヴァンゲル家の人々の配役も豪華で良かったなあ。
(海外ドラマ「NIP/TUCK」でファンになったんですが、アニタ役のジョエリー・リチャードソン好きなんですよ。)


もともとこの話は、いわゆる大人むけなシーンのほかに残虐な暴力要素も強めです。
女性や動物に対する理不尽なそういう場面をフィクションでも見たくない方にはおすすめできないです。
映画のほうも15歳以下鑑賞禁止にレーティングされているのである程度は覚悟、というかそもそも家族で観に行くような作品じゃないかもと心配していたんですが。
しかし正直、拍子抜けというか「やっぱハリウッド向けに結構あっさりまとめちゃったんだなあ」という感想をもちました。

原作は、登場人物それぞれのこまかい過去エピソードや、謎の解明に至るまでの緻密な作業を刻々と緊張感で追っていくリアルな感じの積み重ねを味わうのが面白くて。
だからこそ多くの人に評価されている小説なのでしょうが、映画版ともなるとこれらを描写するにはやはり2時間半では全く足りないんですよね。
だから、身内や地元警察が40年かけてもわからなかったことが、よそから来た二人組に小気味よく解き進められてしまうということに納得が行かない人はいると思うなあ。
(ある程度の小話も省きつつ、説明不足と思われようがサクサクすすめていかないと時間内におさまらないのだ...)

逆に言えば、あっさりしている分、登場人物の関連図などは頭の中でわかりやすくなってます。
原作は、大勢存在するヴァンゲル一族の人たちのエピソードがドロドロと入り乱れるために、手元に(文庫付録の)家系図を置きながら読み進めないと、どのヴァンゲルさんがどの家族に属している人なのか混乱してくるほどなのですが、映画では主要な人のみがきちんと強調されていて、ここは制作側の力なのでしょう。

部分的な強弱はあるにしろおおむね原作どおりなので安心の楽しさだったのですが、肝心のハリエット事件の結末についてはあまりにも映画オリジナルでした。
「こうきたか(・・・こ、この展開だと確かに時間も制作費も節約になるな)!」と驚いた次第です。


三部作のうち、今回の第一作が上記のヴァンゲル一族に関する独立した話で、二・三はほぼひと続きの件を扱っています。
リスベットの過去や、今作でその後どうなったのか気になる件も徐々に明らかになっていくので、(決して明るく爽やかで娯楽的な話ではないのですが)最後まで見届けたい気分。
フィンチャー監督の独特の映像感覚もタイトルロールからしてものすごいので、見ごたえあります。
スウェーデンの寒々とした風景も美しい。

また、予告編(特に1分38秒間のteaser版のほう)は作品の世界観を十分にあらわした傑作であると以前から話題になっていました。
これ、日本語仕様でも上手く作ってあってテレビCMなんかでも見ることが出来ますが。
終わりのほうで、文字がドカドカと割り込んでくるところ、これはやっぱりアルファベット以外の言語をはめこむと無理があるんじゃないかなあと改めて思いました。クールさが薄れてしまうというか。
というわけで英語版で。↓
The Girl with the Dragon Tattoo - Movie Trailers - iTunes


4151792511映画の後でも先でも、原作を読むことは是非ともお勧めします。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)  ←Amazon
ソニー・リーダー用等の電子書籍版でも出ているようで、デジタルだったら上下巻の区別無く1冊にまとまっているし価格もだいぶ割安なので魅力です。
しかし!上で述べたように家系図の付録を片手に持って読まないと私には無理な話だった(笑)ので、個人的には文庫で良かったです。

内容が内容なので日本での評価は分かれるかもしれませんが、ツボにはまるならば、ぐいぐい読ませる力があって、結末に近づくのが惜しくなるほど引き込まれるはず。
久々、大いに読書の醍醐味を味わうことが出来ました。
嗚呼、作者がこのミレニアム三部作を最後に若くして亡くなってしまったのは本当に残念です。
もっと読ませて欲しかったなあ。

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