「PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服」展をみてきました。
東京に出る用事があったので、久し振りに美術館へ寄ってみました。
三菱一号館美術館は建物のクラシックな雰囲気も良く、東京駅から地下でつながっているので行きやすいため、けっこう気に入ってます。
(カフェのビールも美味しいです)
前日にちょっと調べて「面白いかも」と軽い気持ちで入ってみたのですが、これがなかなか勉強になりまして、二時間くらいかけてゆっくり眺めてきました。
2013年にパリで開催された展示会を、三菱一号館美術館に合わせて再構成したものとのこと。
オートクチュールというのは、「高級仕立て服(顧客の注文に合わせて制作するオーダーメイド服)」のことです。
それに対して、高級既製品としてメーカーから提供される服がプレタポルテ。
↑ 諸説あるでしょうがざっくりな定義でくくるとそんな感じ。
1800年代後半から始まるオートクチュールの歴史を、当時の実物の展示と共に振り返ることが出来る貴重な機会でした。
凝った刺繍や細工が施されたドレスも数多くあり、時代を反映する美術作品と言えるもので、どんな人がどんな場所でこれを着たのかと楽しく妄想しながら展示室を進んでいきましたよ。
一点ものの貴重な服地の保存のためというのもあるのかもしれませんが、絵画展以上に照明が暗い(そして、壁も黒い...)のです。
そのため、音声ガイドのヘッドホンを借りることは強くオススメします。520円です。
こまかい解説文が書かれた表示板も各所にあるのですが、それらを自力で読むのはだいぶ目が疲れますよ。
展示についての説明だけでなく、ファッション評論家の方による時代背景についての解説もチャンネルを選んで聴くことが出来、オーディオブックを一冊読了したかのような満足感がありました。
途中、写真撮影OKの大広間(たくさんのドレスが飾られているのですよ)がありまして、皆さんのスマホのシャッター音が遠くからもパシャパシャ聞こえてくるほど賑わってました。
私も早速撮りまくりであります!
図録は洋書の大判ファッション写真集のようなデザインになっていて、とても見ごたえあります。
(左写真内の左側は今回の展示会のチラシで、右側の書籍が図録です。
チラシは、売店で握りしめながらわくわくと物色していたので縁がボロボロになってしまいました...)
刺繍やスパンコールの細かい細工が拡大されて載っているので、それらの美しい手仕事をじっくり眺めることが出来るので満足。2300円です。
最後に通り抜けるところにある売店はパリの手芸店がテーマだそうで、フランス製のリボンや刺繍糸や飾りボタンなどがたくさん置いてありました。
図録の他に、ガラス製のペンダントヘッドと、小さなタッセルを購入です。
(赤くて丸いので「さるぼぼ」な雰囲気もある...)
携帯ストラップにするにはあまりにも繊細な質感なので、しばらくは室内にぶら下げておこうかなあ。
バッグチャームにしても可愛いですよね。
"現在の各メゾンの顧客の合計総数ははっきりしないが、一説には毎シーズンごとに注文をする顧客は世界中で500人くらいと言われている。
王侯貴族や有名女優、世界各国のファーストレディ達が主な顧客となる。"
とあるとおり、庶民には全く縁が無い世界ではあります。
いま現在で目にすることがあるとすれば、アカデミー賞の授賞式などで大物(または受賞しそうな)方々が着てるようなキラキラしたドレスがそうなんでしょうね。
ファッションだけでなく、美術や生活の歴史を学ぶ切り口としても有意義な展示ですので、興味のある方は是非。
写真鑑賞だけでは得られない、実物を見ることの良さは想像以上でした。
春休み時期ではありますが、平日ならば、午後-夕方近くの時間帯でもなんとかマイペースでじーっと鑑賞出来る程度の余裕はある混み具合でした。
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