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2018.06.14

「ほぼ日のキャップレス万年筆」を買ってきました。(生活のたのしみ展)

先週の土曜日、「生活のたのしみ展」に行ったことは前回記事に書きました。

●過去記事:「生活のたのしみ展」に行ってきました。


暑いわ人混み凄いわで過酷な状況ではあったのですが、とにかく「これだけは買わねば...!」と辿り着いたブースは、会場の端っこでちょっと小さめの場所。

生活のたのしみ展 - ほぼ日刊イトイ新聞 - ほぼ日のキャップレス万年筆のお店

300本限定とのことでしたが、よかったーまだ在庫有った!
売場の台には、ひろげたほぼ日手帳が試筆用に置いてありました。

ペン先はFしか作っていないそうなのですが、黒インクが入っていた見本ペンの線巾はけっこう太めな印象。
個体差というよりは、短期間ながら既に大勢の人が試し書きした結果 筆圧でこなれていったような、ソフトな筆記感になってました。
(これはこれでとても良いのですよ。)

到着後約3分で「これ下さい」と、金ペン堂にペリカン800を買いに行ったとき並みの素早さで申告。
インクは自宅内在庫がちょうど切れていたので、もし併売されていたらブルーブラックを一緒にと思ってました。
5本入りの小型パッケージ(200円)で並んでいたのは有り難かったです。
色彩雫インクなんかもカートリッジ化して、お試し用5本パックぐらいで売って頂けたらなぁ!


というわけで、大都会からはるばる帰宅後に開封。

紙製の箱は凝ったデザインで、外箱のさりげない型押しマーク(ほぼ日20th)など含めてとても気に入りました。
よほどの記念仕様でない限り、私は"筆記具の箱"は捨てる(もしくは、最初からお店で断る)ようにしています。
しかし、これは数少ない居残り組になるだろうなあ。

内箱のイラストレーションも可愛いです。

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フタの裏にメッセージが書いてあるのはほぼ日手帳の箱と一緒ですね。
Only is not lonelyは軸にもぐるっと書いてあります。
(裏側にPILOT JAPANと有り。)

本体が埋め込まれたスポンジを外すとその下に、キャップレスの取説(通常販売されているのと同じ説明書)とオマケの黒カートリッジ1本が入ってます。

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キャップレスについてそれなりに知っている人ならばわかるとおり、この万年筆は現在販売されているマットブラック軸がベースになっています。

キャップレス マットブラック | PILOT←パイロット社のページ

糸井氏が手帳用に気に入ってご愛用とのことで、今年のほぼ日手帳の販売ページにも掲載されています。

そのマットブラック軸のクリップを銀色仕様にし、軸に前述の通りOnly is not lonelyを入れたのが今回の「ほぼ日のキャップレス万年筆」。
それに合わせて5月から連載されていたのが下記のコンテンツです。
販売ブースでは、印刷版も頂いてきました。

書くおもしろさを、急に思い出した。 - 同じじゃないから、愛がある。 - ほぼ日刊イトイ新聞

ほんっと、こういう「読ませる」話を添える技術が抜きん出ているというか、普通の文具メーカーとはちょっと違う、売り方の上手さがあるよなぁ...と思う次第です。
最下部の万年筆ドーンの写真で「ああーこれの宣伝だったんか..」とはなるんですが(笑)それでも物欲が動く...

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キャップレスのマットブラック軸については比較的以前から「かっこいい。欲しいかもなあ」と思ってました。

ただし、既に購入した人々からの話も気になっており

・けっこう重い
・マット加工は手が滑りやすい
・(使いまくっていると軸やクリップ部の指がよく当たる部分が)やがて梨地加工がつるつるになってきてメッキも剥げ、下の黄色っぽい金属の色が見えてくる

という件でいくらか躊躇していたのは確かです。

実際入手した使用感からいうとまず、重量30gは万年筆としてはやはり重めです。
あくまでも「私の場合は」ですが、これでたとえば日記帳1ページびっしりを休み無く書くのは疲れる。
文章で広範囲を埋めるような用途なら、細身で軽いキャップレスデシモのほうかなあ。

向いているのは、ToDoやアイデア出しなど、考えを練りつつ少しづつの単位で文字を繰り出していく用途。
むしろこの重みは程よく手を固定させるので気が散らず、メモそのものに集中できるんですよね。
そんなわけで重量については他の筆記具との使い分けで可能かな。


マットブラック仕様をじっくりと手に取ったのはほぼ日のブース店頭が初めてだったのですが、「意外とこまかいサラサラ感」という第一印象でした。
暑かったせいもあってか、こういうほうが手汗をかいても貼り付かなくていいのでは?という思いも。
冬の乾燥手でここまで言えるかは謎ですが、予想していたより繊細なマット加工に安堵したと言っても良く、これくらいのほうが爽やかで扱いやすいなと正直思いました。

あともう一点
元ネタのマットブラックと違う、シルバー色のクリップ、ここが指先の「滑り止め」としてかなり重要な役割を果たしているというのが使用中の実感です。
この、指がピタリと止まってくれるツヤツヤしたクリップのおかげで「滑りやすい軸」という評価は忘れることが出来ました。解決。

めっきのはげに関しては、マットブラックを何年かで常用した方々の写真を見てきたので、(使用頻度によっては)いずれこうなるのかなあという覚悟はしておいたほうがいいのかも。
むしろこれを味として愛でている人も多いのは事実なので、そうなったらなったで考えるか。


追加でいうと、私がマットブラック軸をすこし迷っていた(勝手かつ私的な)理由であるうちの
「見えるパーツ全部が真っ黒すぎて見た目が若干硬め」
というのは、
銀色クリップのツートン仕様になったことでクールさが加って和らぎました。
外見上の件も解決できた気がします...。

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ノック式なので、通常の万年筆のようにキャップを頻繁に装着する必要がないのは万年筆としては画期的にラク。
比較的強めの筆圧にも向いたペン先なので、ボールペン慣れした人や万年筆初心者にも使いやすい。
というわけで、
一度気に入ってしまうと「結局キャップレスばかり使うようになる」「複数本欲しくなってしまう」と言う人が続出する理由です。

十何年かかけて、上写真のようにいよいよ4本にもなってしまったわけですが、「(ペン先付きの)中身が差し替えられる」のもキャップレスの面白さかなあ。
私、どういうわけか長いことデシモと通常軸は中身交換不可だと思い込んでいたんですが、Instagramでコメント頂いて、フェルモ以外なら自在に入れ替えが利くことを知りました。

ほぼ日軸のFを、"ほんとうはこっちのペン先でも売って欲しかった"のEF(デシモ赤軸の中身)に付け替えるの、試しでやってみたらOKでした。
あらまあ、思い込みって怖い...

でも、しばらくはそのままのFニブで使ってみます。
ノートにも小型手帳にも万能に使える太さではあるし、実に滑らかに書けるアタリ(というべきなのか、ほぼ日仕様だからこうなのか)な書き心地のペン先なので。


あと、しばらくぶりにパイロットのブルーブラックインクをここで使いはじめているのですが、こんな色だったっけ?という驚きも。
ここ数ヶ月、モンブランの黒っぽく枯れ気味なミッドナイトブルーか、限りなく青緑のブルーアワー トワイライトブルーばかりを使っていたため、パイロット社製の青々とした明るい色味が新鮮!
同社製ならではの、抜群のフローの良さもあるので書き心地もスルッスルです。

小日向京のひねもす文房具|第百四十四回「パイロット インキ ブルーブラック 30ml」 | ナガサワ文具センター

こちらの文中では、プラチナのセンチュリーにはすべてパイロットのブルーブラックを入れているとのことで、ああ私もそれやってみようかなあと思いました。
(万年筆をそれなり持ってる人が「センチュリーすべて」と言うのはイコール「けっこうな本数」ということにもなり、まあ私もそうなので...(笑)
印象に残っていた記事だったのです。
プラチナブルーブラックも悪くないけど、古典インクなのでちょっと出が渋いとか、細字めペン先には色が薄いかなあとか思ったことは有りなので。
パイロットのブルーブラック、ボトルでも買ってみようかな。)


以下は、キャップレスを初めて買った方から質問を受けたことです。

キャップレス万年筆にはコンバーターを使う場合「CON-40」という品番のものが適合します。
それを使えばいろんなインクを使うことが出来るわけですが、キャップレスは他の仕様の万年筆と違ってペン先をキッチリ密閉できる作りになっていません。
使わず放置している間の、軸内のインクの減りも速いのです...
出が渋いタイプのインクを使うと途端に書き心地が悪くなったりしやすいです。
(キャップレスでも快適に使えるようにと)流れよく作ってあるパイロット社製のインクをなるべく使うことをおすすめします。

あと、もともとついている銀色の鉛筆キャップのようなものはカートリッジの上にはめ込んで使います。
コンバーターの時は不要です。
仮でついてくる(乳白色の)からっぽカートリッジは、100均に売っている化粧品移し用注射器を使ってインクを入れ、キャップレスに限らずパイロット社製の万年筆に使うと便利なので、捨てないでとっておきましょう。

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というわけで体調不良のために楽しみも大きく出遅れまして、万年筆の買いものは久々かもしれない...今年はこれが初めてだし...!
カチカチとペン先を出し入れしながら、ゆっくりの少しづつですが快復してきた体力と、ものを書く喜びをしみじみ感じつつ手帳を開いているところです。

追記:ほぼ日キャップレス、イベント期間内に売り切れたそうなのですが、追加生産は検討中とのことです。
   ずっしりした良いペンなので、買える人が増えて欲しいなあ。

●関連過去記事:キャップレス デシモが10年ぶりに増えました。

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